体質的にアルコールを受け付けない人や、健康上の理由からお酒が飲めない人は、「つまらない人間だと思われているかもしれない…」と心配になることもあるでしょう。
職場の飲み会や友人たちとの酒の席でも、「飲めない」というだけで肩身の狭い思いをしている人は少なくありません。
しかし「お酒が飲めない」のは決してネガティブなことではなく、むしろポジティブにとらえるべき要素です。
今回はお酒を飲まないことで得られるメリット5つと、飲まずに酒の席を楽しむためのポイントをお伝えします。
「お酒が飲めない人はつまらない」は本当か?
ここでは、「お酒が飲めない人はつまらない」と思われるのは本当なのかを検証します。
また、なぜそのようにとらえる人がいるのか理由も考えてみましょう。
- 酒が飲めないのは甘えという文化
- 変わりつつある飲み会事情
- 「飲まない=エリート」と思われることも
上の3つの観点からアプローチしていきます!
酒が飲めないのは甘えという文化
日本では「飲みニケーション」という言葉があるように、酒の席を共にすることがコミュニケーションの一環として考えられてきました。
一緒にお酒を飲んで「対人関係を良好にしたい」、あるいは「ビジネスを円滑に進めたい」といったねらいがあるのです。
その文化の中にいる以上、お酒を飲まないというのは「甘え」と見なされかねません。
たとえば、以下のような例は実際にあります。
- 飲み会への参加を断ると、上司からの評価が下がる
- 「二次会も行こう」という流れに乗らないと、付き合いが悪いと言われる
- 酒を強要されても飲まないでいると、しつこく理由を聞かれる
またこうした考え方は、年配の人ほど強く持っている傾向にあります。
「みんなと同じことをするべきだ」、「場の雰囲気を乱さない」といった、日本人特有の集団主義的思考も関係しているでしょう。
変わりつつある飲み会事情
しかし近年は、飲み会事情も変わりつつあります。
- 健康志向の高まり
- 働き方改革の影響
- コロナ禍での飲み会スタイルの変化
こうしたことがきっかけとなり、「飲まない人は飲まなくてもよい」といった考え方が定着し始めました。
Zoomでのオンライン飲み会も一般的になり、「酒を飲んでいる」という事実よりも「飲み会でどんな時間を過ごしているか」ということが重要視されています。
さらに最近は好みに応じてさまざまなノンアルコール飲料が選べるため、昔に比べて飲まない人でも飲み会に参加しやすくなったといえるでしょう。
「飲まない=エリート」と思われることも
また、お酒を飲まないことが「エリート」として、ポジティブに見られる風潮もできつつあります。
- 自制心がある
- 健康に対する意識が高い
- 翌日の仕事し支障をきたさない責任感がある
「飲まない」でいると、上で述べたような評価につながることも最近では珍しくありません。
「だらしなく飲んで翌日の仕事に悪影響を及ぼすくらいなら、いっそ飲まずにいる」といった判断ができる人の方が、確かに信頼できそうですね。
特に健康意識やパフォーマンスの高さを重要視する会社では、こうした「あえて飲まない」スタイルが評価される可能性は大いにあります。
「お酒が飲めない」のはなぜ?3つの理由
ここからは、「お酒が飲めない」という人がなぜ飲めないのか、その理由を紹介します。
具体的には、以下の3つです。
- 酒の味が苦手だから
- 体質的に合わないから
- 健康面で心配だから
もちろん他にもさまざまな理由が考えられますが、「飲めない」「飲まない」理由としてよく挙げられる代表的なものが上記3つなので、ぜひおさえておきましょう。
酒の味が苦手だから
酒には当然アルコールが含まれているため、「それぞれのアルコール臭や独特の苦味が好きではない」という人は少なくありません。
そもそもアルコール自体が「痛覚刺激」という苦みや焼け付くような刺激を持っており、人間にとっては美味しく感じないようにできています。
それなのに「お酒が好き」という人は、酒の場の雰囲気が好きであったり、飲むのが習慣化しているからに他なりません。
酒の風味や酔うことを好まない人にとって、無理に飲むのは単なる苦痛です。酒好きには想像しにくいかもしれませんが、味が原因で酒を飲まない人がいるということは覚えておきましょう。
体質的に合わないから
アルコールを体質的に受け付けない人は一定数います。
お酒に強い、弱いというのはアセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)をどれだけ持っているかによって決まります。
そして日本人の44%は「酒に弱い」タイプに分類されるというのですから、驚きですね。
ALDH2が極端に少ない人、もしくはALDH2を持っていない人が酒を飲むと、以下のような症状が出ることがあります。
- 気分が悪くなる
- 頭痛や吐き気が起こる
- 動機がする
「飲める」「飲めない」は慣れではなく、体質の問題と理解しておくことが大切です。
健康面で心配だから
健康を意識してお酒を控える人は増えています。
過度の飲酒は内臓に負担をかけ、生活習慣病のリスクにもつながりかねません。
ドクターストップがかかったり、健康診断の数値が気になったりして、飲むのをやめている人もいます。
体質的には問題ない、もしくはお酒は嫌いではない人があえて飲まないでいるのは、このパターンが多いでしょう。
酒を飲まないことのメリット5つ
ここからは、酒を飲まないことのメリットを5つ紹介します。
- 老けないで若々しくいられる
- 酒が原因の病気にならない
- 無駄な出費がない
- 飲み会でも運転して帰れる
- 好きなことに時間を費やせる
それぞれ見ていきましょう。
老けないで若々しくいられる
アルコールには脱水作用があるため、肌の水分を奪う働きがあります。
また、アルコールを分解する過程でビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素を消費してしまうので、肌に必要な栄養が行き届かなくなってしまうのです。
こうしたことから、「飲酒は老け顔の原因」とされています。
実際に飲酒している人に比べて、酒を飲まない人の顔には、
- シワやシミが少ない
- 肌にハリや弾力がある
- むくみにくい
といった特徴があります。
「見た目が若々しい」というのは、酒を飲まない大きなメリットの1つですね。
酒が原因の病気にならない
飲酒習慣は、さまざまな病気のリスクにつながります。
昔から「酒は百薬の長」と言われてきましたが、「少しの酒ならむしろ健康的」という考え方は2018年に医学雑誌『ランセット』で報告された研究で否定されています。
研究の中では、「健康への悪影響を最小化するなら飲酒量はゼロがいい」と結論付けられました。
ではアルコールが原因になると考えられている、主な病気を挙げてみましょう。
症状が出てくる場所 | 疾患名 |
---|---|
食道 | 食道炎、食道がん |
胃腸 | 胃炎、胃がん、大腸がん、小腸炎 |
心臓 | 心拍の異常、心筋症、高血圧 |
肝臓 | 肝硬変、脂肪肝、肝臓がん |
膵臓 | 膵炎、膵臓がん |
神経 | 手足の震え、末梢神経障害、通風 |
上記以外に、良質な睡眠がとれなかったり、メンタルヘルスにも影響したりといったことも指摘されています。
軽いものから深刻なものまで、さまざまな疾患の原因になりかねないのがアルコール。
「飲まない」人は、実はこれらのリスクを未然に防いでいるのです。
無駄な出費がない
実は飲酒習慣は、予想以上に大きな出費につながっています。
お酒を好む人にだけ発生するお金を考えてみましょう。
- 友人や同僚と飲みに行く際の飲食代
- 自宅での酒類の購入費
- 二日酔いした日のパフォーマンス低下で発生するコスト
その他、タクシー代などが別途かかってくる可能性もあります。
禁酒したメリットとして、「経済的に節約できた」点を挙げる人も少なくありません。
お酒を飲まない人は「無駄な出費をしていない」とポジティブに考えてみるとよいでしょう。
飲み会でも運転して帰れる
飲酒しなければ、飲み会の後でも何ら問題なく車を運転して帰れます。
終電など時間の制約を受けずに仲間とのリラックスタイムを楽しめるうえに、場合によってはハンドルキーパーとして重宝されるかもしれません。
飲み会とはいえ、普段と異なる非日常の空間は疲れるもの。
車でスムーズに自宅に帰れば、ストレスや疲労を翌日まで持ち越さずに済みます。
好きなことに時間を費やせる
お酒を飲まない人は飲む人よりも、時間を有意義に使えます。
酔うことがないため、趣味やエクササイズなど好きなことに好きなだけ時間を費やせるのは大きなメリットでしょう。
酒好きの人が二日酔いで寝ている休日の朝にも、その気になれば早朝から活動できます。
飲まない人はお金だけでなく、時間すらも節約していると考えると、なんだか得した気分になりますよね!
飲み会で疎外感を感じない3つの方法
飲まない人が飲み会で疎外感を感じてしまうことは、決して少なくありません。
お酒を飲まないZ世代202名を対象に、「江戸前汽船 株式会社」が2023年に行ったインターネット調査を見てみましょう。
「Q2.あなたは、お酒の席において、不満や悩みを感じた経験がありますか。」(n=202)と質問したところ、「かなりある」が13.9%、「ややある」が26.7%という回答となりました。
参考:IDEATECH|ンアルZ世代の宴会に対する意識調査
Q2で「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q3.お酒の席で不満や悩みを感じた場面について、教えてください。(複数回答)」(n=82)と質問したところ、「飲まないことで疎外感を感じる」が48.8%、「飲まない理由を説明するのが面倒」が45.1%、「お酒を飲む人の話題についていけない」が35.4%という回答となりました。
参考:IDEATECH|ンアルZ世代の宴会に対する意識調査
この調査結果では、お酒の席での不満や悩みを感じた人のうち約半数が「疎外感を感じている」ようです。
そこで、ここではどうすれば飲み会で疎外感を感じずに済むのかを考えていきましょう。
- ノンアルコール飲料を飲む
- 飲み会ですすんで運転手役になる
- 「飲まない」仲間を見つける
それぞれ説明します。
ノンアルコール飲料を飲む
酒を無理強いするような風潮はなくなってきたものの、ストローの刺さったソフトドリンクのグラスを見て「どうして飲まないの?」と理由を聞いてくる人は一定数います。
そこで、ソフトドリンクではなくノンアルコール飲料を活用してみましょう。
ノンアル飲料は見た目もお酒と変わらないため、場の一体感を損ねず周囲と同じような雰囲気を楽しめます。
お店によってはノンアルコールのカクテルも楽しめるので、お気に入りの1杯を見つけてみるのもいいですね。
飲み会ですすんで運転手役になる
飲み会で飲まないで運転できると、緊急時の対応が可能になるため周りの人にとってありがたい存在になります。
さらに自分から送迎などの運転手役を買って出れば、自然と感謝されて対人関係も良好になるはずです。
時として煩わしいこともあるでしょう。でもシラフで車を運転し飲み会に参加するだけで、知らない間に株が上がっているかもしれませんよ!
「飲まない」仲間を見つける
自分と同じように飲めない、もしくは飲まない仲間を探して交流を図ることも、疎外感を感じないための大切な方法です。
「飲まないのは自分ひとりだけじゃないんだ」と思えたならリラックスでき、酒の席もより楽しめるでしょう。
健康志向の高まりからあえて飲まない人も増えている昨今、仲間を見つけるのはそれほど難しくはないはず。
共通の話題である「飲まないメリット」について語れば、一気に会話が盛り上がるかもしれませんよ!
ノンアルコールビールの種類と特徴
飲み会では何を頼んでもよいのですが、飲めない人も最初の1杯にはやはりノンアルコールビールをおすすめします。
なぜなら、ノンアルコールビールは見た目が普通のビールと変わらないため、「皆と同じように飲み会を楽しんでいる」気分を味わえるからです。
近年はノンアルコールビールの製法技術も進化し、本物のビールに限りなく近い味わいが実現されるようになりました。
主な製造方法は、以下の3つに分けられます。
- 醸造時にアルコールを発生させないようにする方法
- 醸造時の発酵を抑え、アルコール度を1%以下に留める方法
- 通常のビールからアルコールを取り除く方法(脱アルコール製法)
それぞれの製法には味わいに特徴があり、日本では主に「1.醸造時にアルコールを発生させないようにする方法」で作られています。
この製法で作ったノンアルコールビールは、ライトな味わいで飲みやすいのがポイントです。
一方、海外では2や3の製法が主流で、風味は本物のビールに近くなります。
さまざまなノンアルコールビールを試し、自分好みの商品を見つけてみましょう!
おすすめノンアルコールビール5選
ここからは、飲み会で飲むのにおすすめのノンアルコールビールを5つ紹介します。
- この上なくビールを飲んでいる気になる:ヴェリタスブロイ
- 無添加で安心の国内製造:龍馬1865
- GABAの力で記憶力UP:あしたを想うオールフリー
- うまみ成分を残した脱アルコール製法:アサヒゼロ
- 居酒屋でノンアルビールといえば:零ICHI
特に1や2に関しては、ノンアルコールビールにこだわりをもったお店にしか置いていないことも多いでしょう。
ノンアル飲料のラインナップにこれらの商品を入れているということは、料理やその他の点でも期待度大のお店です。
お品書きで見つけたら、飲める人も飲めない人もぜひ試してみてくださいね。
この上なくビールを飲んでいる気になる:ヴェリタスブロイ
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | 人工添加物を一切使用しておらず、健康機能性栄養素を豊富に含有 |
原材料 | モルト、ホップ、ビール酵母、天然水 |
アルコール分 | 0.00% |
エネルギー | 11kcal |
炭水化物 | 2.5g |
最近はコンビニなどでも見られるようになった、ドイツのプレミアムノンアルコールビール「ヴェリタスブロイ」を紹介します。
この商品の最大の売りは、本場ドイツのビール製法を遵守し、麦芽100%で作られていること。
「世界で一番ビールに近い」という売り文句の通り、ノンアルコールビール愛飲家から幅広く支持されています。
また、「栄養ドリンクなの?」と思ってしまうほど原料由来のビタミン・ミネラルが豊富。美味しいだけでなく、健康をサポートしてくれる文句なしの商品です。
無添加で安心の国内製造:龍馬1865
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | 添加物ゼロで麦芽100%の旨味を感じられる一品 |
原材料 | 麦芽・ロースト麦芽(ドイツ、イギリス他)、ホップ(ドイツ、イギリス)/炭酸 |
アルコール分 | 0.000% |
エネルギー | 11kcal |
糖質 | 2.7g |
無添加にこだわり抜いて作られた、国産のノンアルコールビール「龍馬1865」。
原材料もシンプルなため、雑味なしのすっきりとした味わいに仕上がっています。
「麦の香りが感じられる」として、ビール通も休肝日に好んで飲む商品だとか。
保存料や着色料を使用していないので、健康志向で「飲まない」人たちも安心して楽しめますよ。
GABAの力で記憶力UP:あしたを想うオールフリー
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | 1本あたり100mgのGABAを配合し、記憶力改善に特化した商品 |
原材料 | 麦芽(外国製造)、GABA(γーアミノ酪酸)、ホップ/炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、苦味料、甘味料(アセスルファムK) |
アルコール分 | 0.00% |
エネルギー | 0kcal |
糖質 | 0g |
ノンアルコールビールでは有名なサントリー「オールフリー」の美味しさはそのままに、2023年に登場したのが「あしたを想うオールフリー」。
記憶力を高める機能性関与成分「GABA」が、350ml1本あたり100gも含まれているノンアルビールはこの商品だけです。
味わいにも一切妥協せず、ビールと同じ二条大麦麦芽の一番麦汁だけを使用しているため、ビールらしい飲み応えもしっかり感じられますよ。
うまみ成分を残した脱アルコール製法:アサヒゼロ
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | 2回の脱アルコール工程の末に完成した、アサヒが誇るノンアルビール |
原材料 | 麦芽(国内製造)、スターチ、麦芽エキス、ホップ、大麦、コーン、米/炭酸、香料 |
アルコール分 | 0.00% |
エネルギー | 28kcal |
糖質 | 6.9g |
アサヒゼロは、日本で主流とされている「醸造時にアルコールを発生させない製法」と異なり、「脱アルコール製法」を採用して作られた日本初のノンアルコールビールです。
試飲した消費者が「これ本物のビールじゃないんですか?」と驚くほど、その味はビールそのもの。
「今までのノンアルビールに満足できなかった人や、ビールの代替品として仕方なくノンアルを飲んでいた人にこそ飲んでほしい」とPRしているように、ビール好きにこそ飲んでほしい商品に仕上がっています。
居酒屋でノンアルビールといえば:零ICHI
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | すっきりした後味と飲みやすさを実現 |
原材料 | 麦芽(外国製造)、水あめ、食物繊維、米発酵エキス、ホップ/炭酸、香料、酸味料、調味料(アミノ酸)、乳化剤 |
アルコール分 | 0.00% |
エネルギー | 9kcal |
糖質 | 2.0g |
キリン独自の「一番搾り製法」を用いて麦のうまみを存分に引き出し、麦芽とホップの美味しさを追求したのが「零ICHI」です。
後味すっきりで料理ともよく合うため、居酒屋に置いてあるノンアルコールビールとしてはメジャーな商品でしょう。
また、人工甘味料と着色料も一切使っていないので「ノンアルコールビールの雑味が苦手」という人にもオススメです。
まとめ
今回は「飲まない人はつまらないと思われてしまう」という説にフォーカスし、果たして本当にそうなのか、なぜそう思われてしまうのかについて考えてみました。
たしかに「お酒を飲まない人間はつまらない」と判断する人は一定数いますが、飲み会での振る舞いによって「つまらない」と思われないようにするのは可能です。
さらにお酒を飲まないことで得られるメリットは大きく、健康志向が重要視される近年では、飲まずにいる方が評価されるケースもあるでしょう。
この記事をきっかけに、飲めないことをポジティブにとらえてみてくださいね!
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