お酒を飲めない下戸の人からすれば、「下戸は飲み会来るな」という言葉を聞くとドキッとするのではないでしょうか。
「下戸だろうがまったく気にしない」という人がいる一方で、「飲めない人には飲み会に来てほしくない」「お酒が飲めない人はつまらない」という人がいるのも事実です。
今回は、なぜ「下戸は飲み会に来るな」と思われてしまうのか、その理由を深堀りします。
また、下戸が飲み会を楽しむ方法や、行きたくない飲み会を断る手段も解説するので、「飲み会」との関わり方に悩んでいる下戸の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
「下戸は飲み会に来るな」本当のところはどう?
ここでは、「下戸は飲み会に来るな」と実際に思われているのか、その理由はなぜなのかを解説します。
- 本音で会話できないと思われてしまう
- 楽しめていないのでは?と気を遣われる
- 会計が複雑になる
- 下戸の飲み会参加を気にしない人も一定数いる
それぞれ見ていきましょう。
本音で会話できないと思われてしまう
「下戸は飲み会に来るな」と思っている人の多くは、なぜそう思うのかの問いかけに対し、「酒を飲んでいない人とは本音で話せないから」という理由を挙げます。
- アルコールを飲んでいない人とは本音で話せない
- 酔ったときの会話内容を冷静に聞いている存在が嫌だ
- 自分ばかりが弱みを握られるような気がしてしまう
上のように、「酔っている自分」に対して「酔っていない相手」がいる場を居心地悪く感じてしまうのでしょう。
多くの酒好きの人にとって、お酒とは「相手との壁を取り払うためのツール」です。
もちろん無理して合わせる必要はありませんが、「下戸に来てほしくない」というのは、コミュニケーションを大切に思っているからこそだと知っておくとよいですね。
楽しめていないのでは?と気を遣われる
「参加してほしくないわけではないが、下戸の人がかわいそうだから誘わない」というのがこのパターンです。
お酒を飲めない人が飲み会にいると、気を遣わずにいられない酒飲みの人もいます。
- 本当は渋々参加していて、楽しめていないのでは?
- 酔っ払った人の中は居心地が悪くないか?
- 皆が飲んでいるのに飲めないなんて、疎外感を感じているかもしれない
上のようなことを考え、心配してしまうのです。
「下戸に参加してほしくない」と思うのは、優しさが理由なのかもしれません。
会計が複雑になる
飲み会の会計ではお酒の額が大きなウェイトを占めるため、割り勘にすると飲めない人は損をしがちです。
かといって飲めない人に配慮すると、いくら安くするのか、どのように計算するのかなど会計が複雑になってしまいます。
支払いの観点から、「下戸には飲み会に来てほしくない」と考えている人もいることを知っておきましょう。
下戸の飲み会参加を気にしない人も一定数いる
これまで「下戸には飲み会に来てほしくない」という視点で話してきましたが、下戸の飲み会参加をまったく気にしない人も一定数います。
中には「飲めなくても来てくれるなら大歓迎」という人も。
そういった人にとって大切なのは、飲める飲めないではなく、「酒の席の雰囲気を一緒に楽しんでいるかどうか」です。
飲み会参加の是非を気にせず、飲めなくても楽しく過ごせばそれでよいのかもしれませんね。
そもそも下戸とは?
ここからは、そもそも下戸とは何なのかについて深堀りしていきましょう。
- お酒を体質的に受け付けない人
- 飲めるけどあえて飲まない人
- 同じ下戸でも男女で相違点が
単純に酒が飲めない人を指すだけでなく、「飲まない」選択をしている人もいることに注目です。
それぞれ説明します。
お酒を体質的に受け付けない人
下戸とは一般的に、体質的にお酒を受け付けず飲めない人を指します。
少し専門的に説明しましょう。
ALDHには、アルデヒドが高濃度にならないと働かない「ALDH1」と、アルデヒドが低濃度のときに働く「ALDH2」の2種類があります。
そして日本人の約4%は「ALDH2」の働きがまったくない「不活性型」だとされており、どれだけ訓練してもまったく飲めるようにはなりません。
このタイプの人は少しでもアルコールが入ると気分が悪くなるため、無理に酒を飲むことは絶対に避けましょう。
飲めるけどあえて飲まない人
健康上の理由や個人の持つ価値観、宗教上の理由などから、体質的には問題なくてもあえて「飲まない」人もいます。
現代は昔に比べ、若者が酒を飲まなくなった時代。飲酒のメリットよりもデメリットに目をむけ、飲まないライフスタイルを選ぶ若者が増えたことを示しています。
またハラスメントへの意識が高まり、そうした「あえて飲まない」スタイルが尊重されるようにもなりました。
自ら選択して飲まない人のことを、ニュータイプ下戸と呼ぶこともあるようです。
同じ下戸でも男女で相違点が
同じ下戸でも、男女によって大きな違いがあります。
妊娠や出産など、強制的に「飲んではいけない」ライフステージを迎えるのは女性です。
そのため、女性の「飲めない」というのは比較的優しく受け止められることが多いでしょう。
一方、コンプライアンスの観点から酒の無理強いは減ってきましたが、男性の下戸はまだまだ周囲からのプレッシャーが強いのではないでしょうか。
男性であろうと女性であろうと、「飲めない」あるいは「飲まない」姿勢が尊重される社会であってほしいですね。
下戸でも飲み会を楽しむ方法5つ
ここでは、下戸が飲み会を楽しむための方法を5つお伝えします。
- ノンアルコール飲料と料理のおいしい組み合わせを知る
- 幹事を引き受けて好みの店を選ぶ
- 最初の一杯はノンアルコールビールにする
- 会話に積極的に参加する
- 飲めない仲間を見つけて同じ席につく
どれも受け身ではなく、積極的な姿勢を持つことがポイントです。
それぞれ見ていきましょう。
ノンアルコール飲料と料理のおいしい組み合わせを知る
お酒が飲めない人でも、美味しいノンアルコール飲料に出会うと飲み会で充実した時間を過ごせます。
まずは下のような組み合わせを試してみましょう。
- ノンアルコールビール×枝豆や唐揚げ
- ノンアルコールワイン×生ハムやチーズ
- さっぱり系モクテル×ピザ
余計な甘みがなく料理との相性も考えられているため、これまでソフトドリンクしか飲んでこなかったという人にこそ、ノンアルコール飲料はオススメですよ。
幹事を引き受けて好みの店を選ぶ
飲めない下戸だからこそ、料理くらいは好きなものを食べたいですよね。
いっそのこと幹事を引き受けて、居心地がよく美味しいメニューが食べられる店を選んでみましょう。
その際、ノンアルコール飲料が充実しているかどうかもチェックしてみてくださいね。
最初の一杯はノンアルコールビールにする
「最初の1杯はビール」と決まっていたのは昔の話で、今は何を頼んでも自由といった風潮になりつつあります。
とはいうものの、乾杯の際にはやはりビールを選ぶのがオススメです。
飲めない下戸の人は、見た目がアルコールと似ているノンアルコールビールにしましょう。
- 周りの人と同じように乾杯の雰囲気を楽しめる
- 自分が下戸であることを自然な形で伝えられる
- 「ノリが悪い」と思われる心配がない
乾杯時だけでもノンアルビールを選べば、上のようなメリットがありますよ。
会話に積極的に参加する
飲むと飲まないとにかかわらず、会話に積極的に参加するのは大切です。
飲み会の場を会話で盛り上げれば、「あいつは下戸だから」といった先入観を払拭し、良好な人間関係を築けるでしょう。
また自分から話すだけでなく、タイミングに応じて聞くことにも徹してみてくださいね。
飲めない仲間を見つけて同じ席につく
下戸にとって、飲み会の場で他の下戸に出会うことは何にも代えがたい喜びがあります。
下戸同士が一緒にいると、以下のようなメリットを感じられるはずです。
- 飲めない、飲みたくない気持ちを理解し合える
- 無理やり飲まされるリスクが減る
- 次回の飲み会に参加するハードルが下がる
ただし、下戸ではない人とも積極的に関わっていく姿勢は持ちましょう。
仲間を見つければ、安心して飲み会が楽しめるはずですよ!
下戸が行きたくない飲み会を断る4つの手段
「行きたくないな」と思う飲み会に、無理して参加した経験はありませんか?
あなたが下戸であれば、なおさら「行きたくない」と思うことは多いでしょう。
ここでは、下戸にオススメの飲み会の断り方を紹介します。
- 素直に下戸でお酒が飲めないと伝える
- 体調がすぐれないことにする
- スケジュールの多忙さをアピールする
- 家庭の事情を持ち出す
いつも同じ断り方にならないように、状況に応じて使い分けてみてくださいね。
素直に下戸でお酒が飲めないと伝える
飲み会を断る手段で最初に紹介するのは、「下戸で酒が飲めないから」と伝える正攻法です。
- 体質的にアルコールがダメなことを話す
- お酒を飲むと体調が悪くなることを伝える
- 飲めない人間が1人いることで、他の人に気を遣わせてしまうのが気になる、と説明する
「自分は下戸です」と直球勝負すれば、相手も無理に誘ってくることはないでしょう。
そればかりでなく他の機会に飲み会に行ったとしても、酒を無理強いされないといったメリットもあります。
お互いに気まずい思いをしないよう、最初から正直に説明するのがベストな方法かもしれませんね。
体調がすぐれないことにする
頻発するのはよくありませんが、「体調がすぐれないから」というのは飲み会を断る常套手段です。
健康上の理由であれば、相手も無理に誘ってくることはないでしょう。
断る際は、以下のポイントをおさえておくとよいですね。
- 具体的な症状(頭痛や胃痛など)を挙げる
- 医者からの指示でアルコールを控えていると説明する
- 「体調が回復したら、次回は参加したい」旨を伝える
飲み会を断る理由としてはもっともですし、今後の付き合いに影響することもないでしょう。
ただし常に「腹痛が…」「朝から頭痛があって…」というのを不参加の理由にしていると、相手の心情を害することもあります。
体調がすぐれないのは「時々」くらいにしておきましょうね。
スケジュールの多忙さをアピールする
スケジュールの多忙さをアピールすることも、飲み会を断る有効な手段です。
その際は以下のことを意識しましょう。
- 具体的な予定(仕事の締め切りが迫っている、など)を挙げる
- 日程調整が難しい状況を説明する
言葉を選んで上記の内容を伝えれば、相手も「忙しくしているんだな」と理解し、無理やり誘うことはないはずです。
むしろ「仕事熱心で責任感がある」と、プラスに受け取ってくれるかもしれませんね。
ただ、体調不良と同じく頻発するのは避けた方がよいでしょう。
「いつも締め切りに追われていて忙しい」だと、今度は業務管理がなっていない、仕事のできない人間だと思われてしまうからです。
家庭の事情を持ち出す
家庭の事情や家族の用事も、飲み会を断る立派な理由です。
自分ひとりで調整をつけられるものではないため、不参加の理解を得やすいでしょう。
主な家庭の事情としては、以下のようなものが挙げられます。
- 子どもの世話(保育園や習い事の送迎)など
- 家庭内の重要な行事(誕生日や記念日)など
- 家族の体調不良など
家庭の事情であれば「お互いさま」といった雰囲気も生まれるので、罪悪感なしに飲み会を断れるでしょう。
飲み会を断っても「感じがいい人」と思われるために
飲み会を断る頻度が他の人よりも多いであろう下戸は、感じのいい断り方を覚えておきましょう。
- 誘ってもらったことへの感謝を伝える
- ランチなどの代替案を提案する
それには「感謝の気持ちを伝える」、「断ったままにしておかない」の2点に尽きます。
それぞれ説明します。
誘ってもらったことへの感謝を伝える
「感じがいい」と思われるために、まずは誘ってもらったことへの感謝を伝えましょう。
ビジネスの場でも同じですが「相手の好意を受け、うれしく思っている」という姿勢を示すことは大切です。
同じ不参加の伝え方でも、以下の2つだとどちらがよいか、その差は明らかですよね。
- 「飲めないので不参加でお願いします」
- 「残念ながら今回は行けないのですが、誘ってもらえてうれしいです。ありがとうございます」
感謝の気持ちを示すことで、断る言葉そのものの印象も柔らかく感じるのではないでしょうか?
職場の人間関係は飲み会だけで形作られるわけでははありません。
「相手がどう思うか」という視点をもって発言するようにしましょう。
ランチなどの代替案を提案する
「感じがいい人」と思われるもう1つの方法は、飲み会を断る代わりにランチなどの代替案を提案することです。
「付き合いが悪いと思われたくないから」というのは、下戸が飲みの誘いを断りにくい大きな理由の1つでしょう。
そこで飲み会以外のコミュニケーション方法を示せば、「この人は単に飲めないだけで、関係性を築くつもりはあるんだな」と思ってもらえるはずです。
- アルコール抜きで楽しめるランチなどに誘う
- カフェやスポーツ観戦など、趣味としてお互い楽しめそうな内容を提案する
個人的に飲みに誘ってくれた人にとって、あなたが飲むかどうかはそれほど重要ではありません。
「酒の場を共にすることでコミュニケーションを図りたい」というのが一番の目的なはずです。
そこでコミュニケーションの場を他に設ければ、相手も納得するうえに「感じがいい人だ」と思ってもらえるのです。
「下戸は飲み会来るな」に関するよくある質問
ここからは、下戸と飲み会に関するよくある質問に答えていきます。
- Q.下戸で飲み会に参加するのは迷惑なの?
- Q.酒の飲めない人を「下戸」と呼ぶのはなぜ?
- Q.下戸が飲み会に参加して「つまらないヤツ」と思われないためには?
- Q.下戸が1人で居酒屋に行っても大丈夫?
- Q.飲み会に参加する際、下戸が気をつけるべきことは?
どれも下戸には必見の内容ですよ!
Q.下戸で飲み会に参加するのは迷惑なの?
結論から言うと、下戸の飲み会参加を迷惑と思うかどうかは相手次第です。
下戸に来てほしくないと思う人、下戸でも構わないと思う人は、それぞれ一定数いるからです。
多様性を尊重する時代になり、昔よりは下戸への風当たりが優しくなったとはいえるでしょう。
- 進んで飲み会の会計役を買って出る
- 酔った人を自宅や駅まで送り届ける
こうしたことを率先して行うと、「次回もぜひ来て!」と飲み会に引っ張りだこになるかもしれませんね。
Q.酒の飲めない人を「下戸」と呼ぶのはなぜ?
一説によると、酒の飲めない人を「下戸」と呼ぶのは、今から1300年以上も昔に制定された「大宝律令」という法律に由来します。
その法律では、成年男子の数によって家の階級が決められていました。
- 8人以上:大戸(たいこ)
- 6~8人:上戸(じょうご)
- 4~5人:中戸(ちゅうこ)
- 3人以下:下戸(げこ)
男子がたくさんいる家は税金が多く、婚礼のときにもらえるお酒の数もそれに比例していたようです。
上戸の家には8瓶、下戸の家には2瓶とされていたため、「お酒が飲めない人=下戸」、「たくさんお酒が飲める人=上戸」と呼ばれるようになったそう。
他に、古代中国の習わしを由来とする説もあります。
言葉の由来については諸説あるので、気になる人は調べてみると楽しいですよ!
Q.下戸が飲み会に参加して「つまらないヤツ」と思われないためには?
下戸が飲み会で「つまらないヤツ」と思われないためには、積極的にコミュニケーションを図ることが大切です。
- 会話に自分から参加し、場を盛り上げる
- 他の参加者の話に興味を持ち、適切な相槌を打つ
- ノンアルコール飲料を片手に、酒の場を楽しむ
お酒を飲んでいようがなかろうが「酒の場を楽しんでいる」姿を見せれば、周囲の印象もよいでしょう。
Q.下戸が1人で居酒屋に行っても大丈夫?
下戸が1人で居酒屋に行くことには、何の問題もありません。
店によっては豊富なノンアルコールメニューを取り揃えていたり、ソフトドリンクが充実していたりするので、そういった観点から選んでみるのもよいでしょう。
- 居酒屋でしか味わえない料理がある
- カウンター席があるため1人でも気軽に利用できる
- 軽食をとったり待ち合わせをしたりするのに都合が良い
上のような理由から、下戸でも居酒屋に通う人は少なくありません。
お気に入りの居酒屋を見つけて、美味しい料理と出会い、リラックスタイムを手に入れてくださいね。
Q.飲み会に参加する際、下戸が気をつけるべきことは?
下戸である以上、飲み会に参加する際は気を付けてほしいポイントがいくつかあります。
- 周囲に自分が下戸であることを伝える
- ノンアルコール飲料の有無を確認しておく
- 乾杯の際はノンアルコールビールにして、場の雰囲気を尊重する
- 飲酒を無理強いされた場合はしっかりと断る
- 会話に積極的に参加し、楽しむ
上で述べたように、周りから配慮される存在であることを自覚しつつ、自分も周囲に気を配りましょう。
飲み会の場を賢く利用すれば、良好な人間関係を築けるはずですよ。
まとめ
今回は「下戸は飲み会に来るな」と本当に思われているのか、なぜそう思われてしまうのかについて解説しました。
「飲み会に来てほしくない」と思われるかどうかは相手次第です。また、下戸である自分の振る舞いによっても変わってきます。
飲み会で良好な人間関係を築きたい場合は、記事の中で紹介した方法を実践してみましょう。
飲み会の本質はコミュニケーションです。気が乗らないときは断り、楽しむときは大いに楽しんでくださいね。
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