微アルコール飲料を飲んでから運転してもいいのか、疑問に感じたことはありませんか?
後に運転を控えている場合、「少しだけなら大丈夫だろう」と自己判断で微アルコール飲料を飲んでしまうと、思わぬ事故につながるおそれもあります。
この記事では、微アルコール飲料を飲んでも運転できるのかに加え、微アルコール飲料の注意点やノンアルコールビールとの違いまで詳しく解説します。
微アルコール飲料やノンアルコールビールを安全に楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
微アルコール飲料を飲んだあとの運転は可能か
微アルコール飲料を飲んでから運転しても問題ないのでしょうか?
ここでは微アルコール飲料を飲んだあとの運転で生じる3つの問題を解説します。
- 微量でもアルコールが含まれていると違法
- 飲酒運転(酒気帯び運転・酒酔い運転)の罰則
- 提供者や同乗者も罰せられる
さっそく見ていきましょう。
微量でもアルコールが含まれていると違法
たとえ微量でも、アルコールを含んだ飲料を飲んで運転すると道路交通法違反で罰せられる可能性があります。
道路交通法第65条「酒気帯び運転等の禁止」を見てみましょう。
第65条 第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
引用元:飲酒運転の罰則等 警視庁
微アルコール飲料でもアルコールを含んでいる以上は酒気帯び運転になる可能性が高いため、一口でも飲んだら運転すべきではありません。
飲酒運転(酒気帯び運転・酒酔い運転)の罰則
飲酒運転をしてしまった場合、どのような罰則があるのでしょうか。
道路交通法において、飲酒運転は2種類あり、それぞれに罰則が設けられています。
項目 | 罰則 |
---|---|
酒酔い運転 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
「酒酔い」とは、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態を指します。
アルコール摂取量に一定の基準値がある「酒気帯び運転」とは異なり、摂取量に関係なく「アルコールの影響を受けている」とみなされれば処罰の対象となるのが特徴です。
したがって、たとえごくわずかな飲酒であったとしても、アルコールによって正常な運転ができなくなれば飲酒運転として罰せられる可能性があります。
提供者や同乗者も罰せられる
道路交通法では、飲酒運転に関わった人にも厳しい罰則が設けられています。
第65条 第2項
何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
第65条 第3項
何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
第65条 第4項
何人も、車両(トロリーバス及び道路運送法第二条第三項に規定する旅客自動車運送事業(以下単に「旅客自動車運送事業」という。)の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第117条の2の2第6号及び第117条の3の2第3号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運送して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第1項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。
引用元:飲酒運転の罰則等 警視庁
運転する予定のある人にお酒をすすめたり、既にお酒を飲んだ人に車の運転をさせるのは法律違反です。
また、運転者が飲酒したと知っていながらその車に同乗した場合も同様に罰せられます。
酒類の提供・車両の同乗者への罰則は以下の通りです。
項目 | 罰則 |
---|---|
運転者が酒酔い運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
運転者が酒気帯び運転 | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
なお、飲酒した人に車を提供した場合は、運転者と同じ処罰を受けます。
お酒を飲んだ人には絶対に運転をさせないようにするのが、周りの責任と言えるでしょう。
微アルコール飲料とは
ここでは微アルコール飲料とはどういった飲料か詳しく解説します。
以下の2点がポイントです。
- わずかにアルコールが含まれている飲料のこと
- ノンアルコールビールとの違い
さっそく見ていきましょう。
わずかにアルコールが含まれている飲料のこと
微アルコール飲料とは、文字通りわずかにアルコールを含む飲料を指します。
法律上の定義はありませんが「アルコール分0.01〜0.9%」のものを微アルコール飲料とするのが一般的です。
一口に微アルコール飲料と言っても、メーカーによってアルコール度数が異なるため、注意しましょう。
ノンアルコールビールとの違い
ノンアルコールビールとの違いは、アルコールの有無です。
ただし、ノンアルコールビールでも種類によってはわずかにアルコールを含んだ微アルコール飲料があります。
したがって、ノンアルコールビールという大きな括りの中で、アルコール分0.00%のものと微アルコール飲料とに分かれていると考えるのがよいでしょう。
飲酒運転を絶対に避けなければならない理由
どのような事情があっても、飲酒運転は絶対に避けなければなりません。
主な理由は以下の2つです。
- 交通事故につながる可能性がある
- 重大な事件になる可能性がある
順番に解説します。
交通事故につながる可能性がある
アルコールは中枢神経に影響し、判断力や反応速度を低下させます。
具体的な影響として、信号の変化や人の動きに気付きにくくなったり、体の平衡感覚が乱れて無意識の内に蛇行運転をしてしまうなどがあります。
普段はしないようなミスや不注意で、思わぬ交通事故につながる可能性があるのです。
重大な事件になる可能性がある
飲酒運転による交通事故が重大な事件に発展する可能性を忘れてはいけません。
平成23年には飲酒運転をした被疑者が高校生2名を跳ね、死亡させた「粕屋町事件」が記録されているほか、激しい衝突による車の炎上や転落といった重大な事件が飲酒運転によって引き起こされています。
軽い気持ちで飲酒運転をすると、自分自身だけでなく、家族や関係のない人まで巻き込むことになるのです。
飲酒運転を避けるための方法
ここでは、飲酒運転を避けるための方法を紹介します。
ノンアルコールビールを選ぶ際や飲み会の場では、以下の2つを意識するようにしましょう。
- ノンアルコールビールはアルコール度数を確認する
- 居酒屋で飲む場合は店員に確認する
それでは、順番に見ていきましょう。
ノンアルコールビールはアルコール度数を確認する
ノンアルコールビールの中には、わずかにアルコールを含むものもあります。
アルコール分0.00%のものであれば問題ないため、ノンアルコールビールを選ぶ際は必ずアルコール度数を確認しましょう。
居酒屋で飲む場合は店員に確認する
居酒屋で飲む際は特に注意が必要です。
ジョッキに注がれた状態で出てくる場合は、ラベルなどでアルコールの有無を確認できません。
たとえノンアルコール飲料であっても、注文時にアルコール度数を確認するようにしましょう。
微アルコール飲料やノンアルコールビールと飲酒運転に関するよくある質問
最後に、微アルコール飲料やノンアルコールビールと飲酒運転に関するよくある質問2つに答えます。
- ノンアルコールでも運転中の摂取は避けるべき?
- 微アルコールは何時間で抜ける?
順番に見ていきましょう。
ノンアルコールでも運転中の摂取は避けるべき?
運転中にノンアルコール飲料を摂取するのはおすすめできません。
ノンアルコール飲料のパッケージはアルコール飲料と似たものが多いため、職務質問にあう可能性があります。
また、空酔いを起こす可能性も否定できません。
「空酔い」とはプラシーボ効果の一つで、脳がノンアルコール飲料をアルコールだと錯覚した結果、まるでお酒を飲んだ時のように酔っ払ってしまう現象を指します。
このようなリスクを避けるためにも、ノンアルコールでも運転中に摂取するのは控えた方がよいでしょう。
微アルコールは何時間で抜ける?
体内でのアルコール処理は、体重1kgにつき1時間で0.1gの速度と言われており、体重60kgの男性なら1時間で6gのアルコールを処理できます。
微アルコール飲料の場合、アルコール分0.5%の飲料500㎖であれば純アルコール2gのため、1時間以内にはアルコールが抜けると考えられるでしょう。
(参考:純アルコール量計算 | アサヒビール)
(参考:アルコールの与える影響 | 沖縄県警察)
ただし、その日の体調・生活習慣、筋肉量や男女差によってアルコール分解能力は大きく異なります。
心配な場合は、福岡県警察のセルフチェックを利用するとよいでしょう。
まとめ
この記事では、微アルコール飲料と運転の関係について詳しく解説しました。
たとえわずかでもアルコールが含まれていれば、飲酒運転となり道路交通法に違反する可能性があります。
また、ノンアルコール飲料の場合でも一部アルコールを含むものがあるため、飲む前にアルコール分を確認することが大切です。
「ちょっとだけなら」という油断が、重大な事故につながるおそれもあります。運転者は飲まない・飲ませないを徹底して、安全なノンアルライフを心がけましょう。
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