ノンアルコールビールの中には、ビールを再現するために添加物を多く使用したものがあります。
過剰に添加物を摂取し過ぎると少なからず体に悪影響があるのは想像の通りです。
では、ノンアルコールビールにはどんな種類の添加物がどれぐらい含まれているのか?やノンアルビールを飲むことによる体への影響について詳しく掘り下げていきます。さらに、添加物が気になる人のため、おすすめの無添加ノンアルコールビールを紹介します。
「ノンアルコールビールの添加物について知りたい」「無添加のノンアルコールビールを知りたい」と考える人は、最後までご覧くださいね。
ノンアルコールビールには添加物が含まれている!
結論ですが、ノンアルコールビールには添加物が含まれるものもあります。
そもそも添加物は何かというと、食品衛生法では次のように定義されています。
添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう
食品衛生法第4条第2項
普段、口にしている食品にはさまざまな添加物が含まれており、豆腐の原料である「にがり」やこんにゃくの原料である「消石灰」も添加物にあたります。
では、なぜ添加物を入れるのでしょうか。ノンアルコールビールに添加物を入れる理由は次のとおりです。
- 食品の安全性を高める
- 香りや色・風味付け
- 栄養価を高める
添加物を入れないと、食品が空気に触れた際に酸化しやすくなり、質の低下につながります。食品の酸化を防いで食中毒のリスクを軽減し、さらに香りや風味を高めておいしくするといった目的で添加物は入れられているのです。
ノンアルコールビールに含まれる添加物
ノンアルコールビールに含まれる主な添加物は次のとおりです。
- アセスルファムカリウム(アセスルファムK)
- スクラロース
- 香料
- 酸味料
- 苦味料
- カラメル色素
それぞれどんな添加物なのか気になりますね。
下記で詳しく見ていきましょう!
アセスルファムカリウム(アセスルファムK)
アセスルファムカリウムは、砂糖の約200倍甘いとされる人工甘味料です。ジケテンという酢酸由来の原料から作られ、口に含むと切れのある甘さを早めに感じます。
甘味を作り出す添加物ですが、体内では利用されずに排出される物質のため、一般的にはカロリーゼロの甘味料として使用されています。さらに安全性にも優れているのも魅力にひとつです。
安全性の高さから、カナダ、アメリカ、ヨーロッパなど世界中で普及しており、ノンアルコールビール以外にもガム、キャンディ、デザート類、ジュース、お菓子といった幅広い商品にも活用されています。
適切な摂取量は、1日あたり体重1㎏に対して15mgです。この量を守れば、体に害を及ぼす恐れは少ないといわれているので、過剰摂取にならないように気を付けましょう。
スクラロース
スクラロースは、砂糖より約600倍甘い人工甘味料です。アセスルファムカリウムと同じように、体内で吸収されても利用されずに排出されるため、ノンカロリーの甘味料として知られています。
ショ糖のような甘さがあり、金属味や苦味は感じません。世界各国の専門機関が研究をしており、安全性の高さが認められ、多くの国々で幅広い製品に活用されています。
1日で体重1kgに対し15mgまでが許容範囲です。過剰摂取しなければ数値を上回ることはありませんが、普段から甘いものの摂りすぎには気を付けたいところですね。
香料
ビールのような香りに近づけるため、ノンアルコールビールには香料が入れられる場合があります。香料の素材は天然物が原料のもの、化学的に合成して作られたものがあり、この香料素材を混ぜ合わせてできたものが香料の土台です。
香料の土台は、使用する目的にあわせて水溶性香料製剤、粉末香料製剤、油性香料製剤、乳化香料製剤に分けられて製造されます。
食品に使われる香料の種類は非常に多く、ストロベリーの香りを再現するのに約350種類以上、コーヒーの香りを再現するのに約800種類の香料の成分が必要とされています。
種類の多い香料ですが、表示方法はすべて「香料」です。ノンアルコールビールも銘柄やメーカーごとに使用する香料は異なっているかもしれません。
酸味料
ノンアルコールビールには、pHの調整やフルーティーな風味付けをする目的などで使用されるケースが多くあります。
香料と同じように、酸味料の種類も次のようにさまざまです。
- クエン酸
- L-酒石酸
- 乳酸
クエン酸は柑橘類の酸味が主な成分で、フルーツのような酸っぱさを表現したい際に用いられています。酒石酸はリンゴ酸やクエン酸と一緒に利用される場合が多く、さわやかな酸味を感じます。
乳酸は糖代謝や乳酸発酵で生成される酸で、少しの渋みとコクが特徴です。香料と同様、表示の仕方もすべて「酸味料」のため、何の酸なのかは成分表を見ても記載されていません。
苦味料
苦味料とはその名のとおり、苦味を付与するための添加物です。ビールの苦味を再現するため、苦味料が使用されているノンアルコールビールも多くあります。
苦味料の主な成分は次のとおりです。
- カフェイン
- ナリンジン
- ニガヨモギ抽出物
カフェインはコーヒーの種子などから抽出され作られた粉末や結晶です。コーラやガムなどを対象に利用されています。
ナリンジンは、クレープフルーツの種子や果汁、果皮から抽出され製造されます。ガムや清涼飲料水に利用される場合が多くあります。
ニガヨモギ抽出物は、ニガヨモギから抽出されたできた添加物で、苦味が強いのが特徴です。苦味料の成分もいろいろなものがありますが、表示はほとんど「苦味料」で一括されています。
カラメル色素
カラメル色素はビールのような色合いや風味を作り出す目的で、ノンアルコールビールに使用されます。
砂糖やでんぷんを熱して得た物質をカラメルといい、グルコースやスクロースといった原料をもとに作られ、着色や苦味・ロースト感を付けるのが役割の添加物です。
製造方法によってカラメルⅠ〜Ⅳの4つに分類されますが、「着色料(カラメル)」や「カラメル色素」と一括表示するのが認められています。
そのため、カラメルⅠ〜Ⅳの何が使われているのか、消費者には区別できません。
添加物が体に与える影響
食品安全委員会によると、同じ添加物を過剰摂取しなければ、体に悪い影響を与えないとしています。
添加物の安全性は食品安全委員会が問題ないと評価したものに限り、添加物一つを毎日摂取しても体に害を及ぼさない「1日摂取許容量(ADI)」が設定されています。
このように添加物一つ一つの安全性は実証されているのですが、添加物を複数摂取した場合のリスクは実証しきれていないのが現状です。
添加物は素材自体の味を変えるので、添加物に慣れると無添加のものに物足りなさを感じる可能性があります。また、自分でも気づかないうちに、塩分や脂質、糖分を取り過ぎている場合も少なくありません。
どこまで添加物を気にするかは自分で判断するしかないので、同じ添加物でも異なる種類の添加物でも、摂取しすぎないように注意した食生活を送りましょう。
ノンアルコールビールの危険性や副作用、デメリットについて詳しくは別ページでも解説していますので不安な方は合わせて参考にしてください。
添加物が気になるなら添加物ゼロのノンアルコールビールがおすすめ
添加物の体への影響が気になる人は、添加物ゼロのノンアルコールビールを選びましょう。
添加物不使用、つまり無添加とは日本食品添加物協会によると、次のように定義されています。
「無添加」とは、食品添加物が、原材料の産地から最終加工食品完成までの全工程において、
日本食品添加物協会
一切使用されていないことをいう
無添加のノンアルコールビールを選ぶと得られるメリットもあります。
- 添加物のリスク軽減
- ノンアルコールビール本来の味わいを感じられる
添加物が含まれないと、ホップや麦芽本来の味わいを楽しめます。また無添加のノンアルコールビールを選ぶと、添加物を摂取しなくて済むので、添加物のリスクも軽減されます。
ノンアルコールビールの添加物の有無の確認方法は、下記を参考にしてくださいね。
- 原材料と添加物の間にスラッシュがある(例:麦芽、ホップ/香料)
- 原材料と添加物の間に改行を入れる
- 原材料と添加物を別の欄に表示する
詳しい添加物の確認方法は東京都保険医療局の「食品衛生の窓」をご覧ください。
スーパーでも買える!添加物なしのノンアルコールビール3選
次に添加物が入っていないおすすめのノンアルコールビール3つを紹介します。
- ヴェリタスブロイ ピュア&フリー
- 日本ビール 龍馬1865
- ライザップ監修 ノンアルコールビール
どれもスーパーで買える手軽さなので、気になるものがあればチェックしてくださいね!
ヴェリタスブロイ ピュア&フリー
日本人の好みに合わせた鋭い切れが特徴のノンアルコールビールです。創業386年の老舗ブルーワリーとともに開発され、モルトとホップ、天然水というシンプルな原材料だけで、ビールのような風味とコクが再現されています。
ビールの本場ドイツの伝統製法で製造されており、最新鋭の脱アルコール技術を利用して仕上げられています。必須アミノ酸やビタミン、ミネラルなど天然の栄養素が豊富に含まれているのも魅力です。
アルコール分は0.00%です。
日本ビール 龍馬1865
原材料に麦芽、ホップ、炭酸を使用したノンアルコールビールです。甘味料や着色料などが含まれていないため、麦本来の旨味を楽しめます。
さらに、ほかのノンアルコールビールより強い酸味が感じられ、質の高い風味もポイント。プリン体はビールの約50%、カロリーはビールの約60%カットされており、健康志向の方にもおすすめです。
ライザップ監修 ノンアルコールビール
ライザップ監修の麦の香りと苦味が特徴のノンアルコールビールです。大麦麦芽100%、香料や甘味料は不使用で作られており、通常のビールのような味わいが楽しめます。
また、100mlあたり12kcal、糖質100mlあたり2.8gでカロリーが低く作られているのもうれしい点。トレーニングの後や休肝日、日ごろのご褒美にも最適です。
特定非営利活動法人ベジプロジェクトジャパンからのヴィーガン認証を取得しています。トレーニングをがんばった後の自分へのご褒美としていかがですか?
ネットで買える無添加のノンアルコールビール3選
スーパーでの購入は難しいですが、ネットで買える無添加のノンアルコールビール3選を紹介します。
- 新潟麦酒 BLACK ZEROZERO
- 日本ビール 忍者ラガー ノンアルコールビール
- by Amazon ビアテイスト
健康志向のものやビールのような本格さが売りのものなど、それぞれの魅力がありますので、下記でくわしく見ていきましょう!
新潟麦酒 BLACK ZEROZERO
日本では珍しい黒ビールのノンアルコールビールです。新潟麦酒の代表が「自分たちがおいしいと思ったものを作る」という信念のもと、ビールと同じ原料で製造され、チョコレートに似たほろ苦さと甘みが楽しめます。
原材料は麦芽、モルトエキス、ホップのみを使用し、保存料や安定剤不使用、熱殺菌やろ過、炭酸ガスは注入されていません。
こだわり抜いた麦芽ホップによって、本格的なビールのような味わい深さが感じられるので、充分に冷やしてから飲みましょう!
日本ビール 忍者ラガー ノンアルコールビール
日本ビール株式会社が販売するドイツ産ホップと麦芽100%のノンアルコールビールです。
保存料、香料、酸味料、着色料不使用、プリン体ゼロ、カロリー11Kcalで、体に気を使っている人も気兼ねなく飲めます。
アルコール分0.00%なのに、ドイツビールのようなコク・苦味や麦の香りを楽しめ、ゴクゴク飲みやすいさわやかなのど越しも魅力です。
世界で初めて「ハラル認証」されており、宗教上禁止されたアルコールや豚などの成分が入っていないと認められています。
by Amazon ビアテイスト
原材料に麦芽、ロースト麦芽、ホップを使用した無添加のノンアルコールビールです。
日本国内で製造され、すっきりした後味でクセがないので飲みやすく、食事のお供にも向いています。
アルコール分0.00%、プリン体ゼロで、妊娠中や授乳中の人、プリン体の摂取を控えたい人にもおすすめ。
さらに、動物性由来の成分が入っていないことが認められた「ヴィーガン認証」も取得しており、動物の命を大切にしたい考えを持つ人に向いているノンアルコールビールです。
ノンアルコールビールと添加物のよくある質問
ノンアルコールビールと添加物のよくある質問は次のとおりです。
- グリーンズフリーは無添加じゃなくなったの?
- からだを想うオールフリーには添加物が入っている?
- キリンのノンアルコールビールで無添加のものは?
- アサヒのノンアルコールビールで無添加のものは?
- bavariaのノンアルコールビールは添加物ゼロ?
- ノンアルコールビールを飲んでいけない理由は?
- 人工甘味料が不使用のノンアルコールビールは?
下記で詳しく見ていきましょう!
グリーンズフリーは無添加じゃなくなったの?
グリーンズフリーは、2024年にリニューアルし、添加物の炭酸、香料、酸味料、乳化剤が入っています。
キリンホールディングスの公式ページを確認すると、リニューアル前のグリーンズフリーは麦・ホップ・水の原材料のみで作り、香料や人工甘味料不使用と記載。
リニューアルしたグリーンズフリーに添加物を入れた理由は、HPに次のように記されています。
X(旧Twitter)で、リニューアルしたグリーンズフリーの口コミを見ると、良い意見が多く見受けられたので好評のようです!
グリーンズフリーおいしいぞ!
引用:X
新しいグリーンズフリーの詳細はこちらをご覧ください。
からだを想うオールフリーには添加物が入っている?
SUNTORYの商品情報ページを確認すると、からだを想うオールフリーには次の添加物が入っていました。
- 炭酸
- 香料
- 酸味料
- カラメル色素
- ビタミンC
- 苦味料
- 甘味料(アセスルファムK)
添加物は多めですが、からだを想うオールフリーには、カロリー・糖質ゼロや内臓脂肪を減らす機能があるといった魅力があります。
体についた脂肪が気になる人におすすめのノンアルコールビールといえるでしょう。
キリンのノンアルコールビールで無添加のものは?
結論から言いますと、キリンのノンアルコールビールには無添加のものはないようです。
キリンのノンアルコールビールには下記の4つがあり、詳しい添加物は隣に記載します。
- カラダFREE→炭酸、酸味料、香料、カラメル色素、甘味料(アセスルファムK)、苦味料
- グリーンズフリー→炭酸、酸味料、香料、カラメル色素、甘味料(アセスルファムK)、苦味料
- 零ICHI→炭酸、香料、酸味料、調味料(アミノ酸)、乳化剤
- パーフェクトフリー→炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、甘味料(アセスルファムK)
どれも添加物は含まれていますが、機能性表示食品や低カロリー、脂肪の吸収を抑えるといった魅力あるノンアルコールビールです。
アサヒのノンアルコールビールで無添加のものは?
結論から言いますと、アサヒのノンアルコールビールには無添加のものはないようです。
アサヒのノンアルコールビールには下記の5つがあり、詳しい添加物は隣に記載します。
- アサヒドライゼロ→炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)
- アサヒドライゼロ 泡ジョッキ缶→酸、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)
- アサヒドライゼロフリー→炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(ステビア)
- アサヒヘルシースタイル→炭酸、香料、安定剤(大豆多糖類)、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)
- アサヒゼロ→炭酸、香料
アサヒゼロは添加物が少なめのため、添加物の摂取を控えたい人におすすめです。その他のノンアルコールビールは添加物が5種類程度含まれていますが、特定保健用食品だったりドライなのど越しで生ビールの味を再現していたりと、魅力的なものばかりです。
それぞれの特徴から自分の好みに合ったノンアルコールビールを選びたいですね!
bavariaのノンアルコールビールは添加物ゼロ?
bavariaの商品情報ページを確認したところ、添加物は、炭酸、ホップエキス、香料が入っていました。
添加物は入っていますが、bavariaはオランダ産でほんのり香るホップと麦芽の風味、フルーティーな味わいが人気のノンアルコールビールです。
国産のノンアルコールビールにはない清涼感と上品な苦味を経験したことがない人は、ぜひ飲んでみてくださいね!
ノンアルコールビールを飲んでいけない理由は?
ノンアルコールビールは、ビールに比べ添加物が多く入っているため飲んではいけないという意見もあります。
確かに、腸内環境や糖尿病、脳卒中のリスクが懸念される添加物もあります。
ただ、始めにも申し上げましたが、摂取し過ぎなければ体に害を及ぼしません。
それでも少しでも体によいものを取りたい人は、今回紹介したような無添加のものを選びましょう。
人工甘味料が不使用のノンアルコールビールは?
人工甘味料不使用のノンアルコールビールは次のとおりです。
- クラウスターラー
- プレミアムアルコールフリー
- 小樽ビール
クラウスターラーは、麦芽とホップのみを原料とし、コクと麦芽の甘味が楽しめるノンアルコールビールです。
プレミアムアルコールフリーは、炭酸、酸味料、香料が入っていますが、よりビールに近いコクと苦味が再現されています。
ビール好きの人も驚くほど本格的な黒ビールタイプなのが小樽ビールです。麦芽、ホップ、水のシンプルな原材料から作られ、クリーミーな泡立ちとローストした麦の香りが味わえます。
まとめ
ノンアルコールビールには添加物が含まれています。ノンアルコールビールによって、添加物の種類や数は異なっており、1日の許容量(ADI)を超えなければ体に害を与えません。
ただ、いくつかの添加物を摂取した場合のリスクは、きちんと検査されていないのが現状です。
健康志向の方や添加物のリスクが心配の人は、無添加のノンアルコールビールを選びましょう。今回はスーパーやネットで買える添加物ゼロのノンアルコールビールを紹介しました。
添加物が入っていないノンアルコールビールは、素材自体の味わいを感じやすいのが魅力です。もちろん飲み過ぎには注意しながら楽しんでくださいね!
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