「禁酒すると具体的にどんな効果があるんだろう?」「酒断ちしたいけどなかなか一歩を踏み出せない…」こんな悩みをお持ちではありませんか?
禁酒した方がよいとは何となくわかっていても、ストレス解消や付き合いでついつい飲んでしまうという人は必見です。
禁酒は心と体の健康をもたらすばかりでなく、ダイエットなど美容面でも効果があります。また時間やお金の節約にもつながるため、生活の満足度が格段に上がりますよ。
この記事では、禁酒によるさまざまなメリットや成功させるコツについて詳しく解説します。
禁酒の効果がすごい!得られるメリット
ここでは、禁酒するとどんなメリットがあるのかを解説します。
お酒をやめて得られる嬉しい効果は、以下の4つです。
- 心と体がポジティブに変化する
- 脳の認知機能が向上する
- ダイエットや美容に効果がある
- 時間やお金が節約できる
それぞれ見ていきましょう。
心と体がポジティブに変化する
禁酒すると、心と体のどちらにもポジティブな変化が訪れます。
働き通しの肝臓と興奮状態にある脳がアルコールから開放され、本来の役割を果たせるようになるからです。
禁酒すると心と体にどんな変化があるか、下の例を見てみましょう。
- 内臓の調子が整う
- 睡眠の質が上がり、すっきり起きられる
- 肌が美しくなり、若々しく見える
- 集中力や記憶力がアップする
- ストレスが減り、精神的に安定する
上で挙げたのはほんの一例です。
他にも免疫力を高めたり、将来的な疾患を予防したりといった効果もあります。
個人差はあるものの、禁酒開始後およそ1週間程度で効果が表れてくるでしょう。
脳の認知機能が向上する
フランスのサクレ大学が行った研究によって、断酒は脳の認知機能の改善に大きく影響することが明らかになりました。
この研究の内容は以下のようなものです。
対象:18歳から65歳までの重度のアルコール依存症患者32人
方法:対象者に18日間断酒をさせ、認知機能の回復率を測定する(測定は断酒後8日目と18日目の2回)
結果:18日目に記憶力や注意力などの認知機能を測定したところ、対象者のうち63%で改善が見られた
なお、特に改善効果が見られたのは、空間の全体的なイメージを把握する「視空間能力」のスコアであり、全体の67%で数値がアップしたそうです。
「飲酒習慣がある人が断酒すれば、認知機能の改善が期待できる」ということが証明された、大変興味深い研究だといえるでしょう。
認知機能が改善するとは、脳が本来の機能を取り戻すことです。
- 記憶力の改善
- 集中力や注意力、視空間能力の向上
- 判断力や問題解決能力の強化
ざっと挙げてもこれだけの効果が見込めるため、断酒すれば仕事のパフォーマンスは間違いなく向上するでしょう。
ダイエットや美容に効果がある
ダイエットや美容面でも、禁酒は大きなメリットをもたらします。
禁酒後に体重が減るのは、酒やおつまみに含まれる余分なカロリー・糖質を摂取しなくて済むからです。
もともと飲んでいた量が多い人ほど、ノンアルビールのダイエット効果を実感しやすいでしょう。中には「ノンアルビールは太る」という誤解もありますが、飲みすぎなければビールよりも太りにくいことは確かです。
次に、禁酒による美容効果の一例を挙げてみます。
- むくみの改善
- 肌のハリや弾力の向上
- 目の下のクマやくすみの改善
酒断ちをすると代謝効率がよくなるため、顔や肌に変化が表れやすく、次第にむくみも取れていきます。
若々しく健康的なルックスを手に入れたいという人にこそ、禁酒はおすすめですよ。
時間やお金が節約できる
禁酒は時間やお金の節約にもなります。
- 飲み会や付き合いにかかる時間と費用
- 日常的に購入していた酒代
- 二日酔いで無駄にしていた時間
- 帰宅時のタクシー代など、飲んだことで出てくる余計な出費
上のように、今まで酒を飲むために費やしていた時間とお金は、決してわずかなものではありません。
それが他の有意義なことに使えるなんてワクワクしませんか?
禁酒で生まれた時間とお金を、家族と過ごす休日や趣味の充実に使えたなら、あなたのQOL(=生きる上での満足度や幸福度をあらわす指標)は大きく上がること間違いなしですよ。
禁酒による体のポジティブな変化
ここからは、禁酒すると体に表れてくる嬉しい変化について解説します。
酒断ちがもたらす体へのメリットはたくさんありますが、以下の5つに絞って見ていきましょう。
- 肝臓や胃腸の調子が整う
- 免疫力が上がる
- 睡眠の質が改善する
- 血圧が下がる
- アルコール関連の疾患を予防できる
それぞれ説明します。
肝臓や胃腸の調子が整う
アルコールを分解する過程で、肝臓に負担がかかることはよく知られています。
それだけでなく、実は胃や腸にとってもアルコールは刺激物となるため、粘膜を痛めたり機能を低下させたりといったマイナス効果をもたらすのです。
禁酒すると肝臓や胃腸が本来の働きを取り戻し、体調の変化を実感できるでしょう。
具体的には以下のような効果が表れるはずです。
- 肝機能の数値(ASTやALT、γ-GTPなど)が改善する
- 消化不良や胃もたれが軽減する
- 便通がよくなる
健康診断で異常が見つからない人でも、気づかないうちに内臓がダメージを受けている可能性は十分にあります。
長期間の飲酒習慣のある人は、一度禁酒して自身の胃腸を労ってあげるのもよいかもしれませんね。
肝臓をケアしながらもビールの風味を味わいたい方はノンアルビールを試してみてください。ノンアルコールビールと肝臓の関係についても別の記事で解説しています。
免疫力が上がる
アルコールは免疫機能の低下にも関係しているため、禁酒すれば必然的に免疫力が高まります。
東京理科大学名誉教授の安部良氏は、アルコールと免疫に関するレポートの中で「お酒を飲む量が多いほど免疫力が下がり、肺炎にかかりやすくなる」と述べていました。
下のグラフを見てみましょう。
このグラフは、1日当たりのアルコール摂取量が10~20g増えるごとに、市中肺炎のリスクが8%増加することを示しています。
アルコールが免疫系の働きに悪影響を与える仕組みは長くなるので割愛しますが、免疫力を高めるためにも、酒の飲み方を今一度見直してみる必要がありそうです。
睡眠の質が改善する
酒をやめると睡眠の質が上がり、日中をより活動的に過ごせるでしょう。
アルコールは以下のような理由から、良質な睡眠を妨げる原因になります。
- 寝ている間もアルコールを分解するために内臓が働き続けるので、眠りが浅くなる
- アルコールを分解する過程で発生するアセトアルデヒドが、交感神経を刺激して体温を上げる
- 水分が不足して脱水状態になり、のどが渇く
- アルコールの利尿作用でトイレに行きたくなる
睡眠の質が向上すると疲労回復やストレス軽減効果も期待できるため、禁酒すれば心身ともにプラスの効果が生まれるはずですよ。
さらに、ノンアルコールビールを食事前に飲むことで睡眠の質が上がることがわかっています。詳しくは「ノンアルビールと睡眠の質に関する研究結果まとめ」をご覧ください。
血圧が下がる
習慣的に飲酒している人はそうでない人に比べ、血圧が高くなる傾向にあります。
特に1日あたりの純アルコール摂取量が「節度ある適度な飲酒」を超えると、高血圧の有病者率は直線的に増加します。
禁酒すればホルモンバランスや自律神経が整うため、血圧にもプラスの効果をもたらすでしょう。
薬や医者に頼らずに手軽にできる高血圧対策として、禁酒期間を設けてみるのはいかがでしょうか。
アルコール関連の疾患を予防できる
これまで見てきたように、飲酒習慣は数多くの健康問題を引き起こします。
- 内臓の不調
- 免疫力の低下
- 良質な睡眠の妨げ
- 高血圧
その結果訪れるのは、さまざまな病気のリスクです。
病気と聞くと、アルコール性肝炎など重大な疾患を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし飲酒がそもそも免疫力の低下を招くことから、重い病気に限らず風邪をひきやすかったり、頭痛や下痢など日常的な不調が起こりやすかったりします。
将来的な疾患を予防したい人、もしくは普段の体調を整えたい人、どちらにとっても禁酒は大きな価値がありそうですね。
禁酒によるメンタルの嬉しい変化
これまでは禁酒による体へのポジティブな効果をお伝えしました。
ここからは、禁酒後メンタルに訪れる嬉しい変化について解説します。
- ストレスが減少する
- 自己肯定感が上がる
- 集中力がつく
上の3つについて、それぞれ見ていきましょう。
ストレスが減少する
「お酒はストレス解消になる」と考えている人は多いですが、実はこれは間違いです。
確かにアルコールは一時的なストレスを抑制しますが、長期的には逆効果となります。アルコールを分解する過程で、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されるからです。
また日常的に酒を飲んでいると一時的なストレス解消効果も薄れてくるため、ついつい量が増え、アルコール依存症やうつ病にもつながってしまいかねません。
思い切って禁酒してみると日常で感じるストレスが減り、以下のようなメリットが期待できます。
- 不安感や焦燥感がなくなる
- 感情がコントロールしやすくなる
- 物事を客観的に見られる
酒をやめてしばらくすれば、今までアルコールを分解するために体にかかっていた負担がなくなり、思考も冴えてくることに気がつくはずです。
日々気分がスッキリしないと感じる人は、「酒がストレス解消になる」といった思い込みをまず取り払うことから始めてみましょう。
自己肯定感が上がる
禁酒を継続してしばらく経つと、自己肯定感が上がっていることに気がつくでしょう。
酒断ちで以下のような効果が得られるからです。
- 健康的な生活を送っているという自信が持てる
- 体調が整うことから精神も安定する
自分の身体が本来の働きを取り戻すことで気分も前向きになれるのは、禁酒の大きなメリットといえそうです。
集中力がつく
アルコールには脳の判断機能を低下させる作用があります。
禁酒すると今まで酒によって阻害されていた脳の働きが回復するため、集中力の向上が実感できるでしょう。
集中力が上がり思考がクリアになると、
- 作業効率の上昇
- 記憶力の改善
- 創造性の向上
といった効果も期待できるので、仕事のパフォーマンスにも大きく影響するはずですよ。
禁酒でダイエット!美容効果もあり
「禁酒して痩せた」という話はよく耳にするかもしれませんね。
実際お酒をやめることはダイエットにつながり、さまざまな美容効果も得られます。
- 摂取カロリーや糖質を減らせる
- 中性脂肪値が下がる
- 腸内環境が整う
- 顔つきが変わり若々しくなる
- 白髪が減る
ここでは禁酒でなぜダイエットできるのか、どんな美容効果がもたらされるのかについて、上の5つに焦点をあて解説します。
摂取カロリーや糖質を減らせる
お酒には食欲増進効果があるため、飲んでいる最中や飲んだ後についつい食べすぎてしまうといった経験は誰にでもあるでしょう。
禁酒するとアルコール自体のカロリーや糖質ばかりでなく、今まで一緒に食べていたおつまみの分も摂取せずに済みます。
- 1日のカロリーや糖質の摂取量が減る
- 間食や夜食の回数が減る
- 早食いやダラダラ食いがなくなる
食事に関して少なくともこれだけの効果が見込めるため、「禁酒して痩せた」という声をよく聞くのも納得ですね。
中性脂肪値が下がる
「お酒は中性脂肪値を上げる」といいますが、これはアルコールを分解する時に肝臓で中性脂肪の合成が促進されるからです。
禁酒すると肝臓の機能が徐々に回復するので、中性脂肪の値も下がる傾向にあります。
中性脂肪は放置すると以下のようなさまざまな病気につながるため、早めに対処しておかなければなりません。
- 動脈硬化
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂肪肝
長期的な健康を維持するためにも、健康診断などで中性脂肪の値を指摘された場合は禁酒を検討してみましょう。
腸内環境が整う
禁酒には、飲み過ぎで乱れていた腸内細菌(腸内フローラ)のバランスを整える効果があります。
腸内環境が改善されるのは、体にとっていいことづくめ。
特に近年、腸内フローラの多様性は美容に大きく影響することがわかっています。
- 肌の質が改善される
- 脂肪燃焼効果が高まる
- 便秘が解消する
禁酒で腸内環境が整えば、今まで何をしてもダメだったダイエットや体質改善も上手くいくかもしれませんよ!
顔つきが変わり若々しくなる
「禁酒したり酒の量を減らすと肌の調子がよくなる」といった経験はないでしょうか?
アルコールは分解する過程で水分をたくさん必要とするため、脱水が起こり肌の乾燥を招いてしまうのです。
また、お酒を過剰摂取するとアセトアルデヒドの分解が追いつかなくなり、体内に留まってタンパク質と結びつくために、「糖化」が発生します。
この「糖化」が実は厄介で、肌の弾力を失わせ、シミやくすみ・老け顔の原因になると言われています。
禁酒すると以下のような効果が期待できるため、顔つきが若々しく変化するはずです。
- ハリと弾力が増し、美肌になる
- 顔のくすみやシミが改善する
- クマやむくみが軽減する
- 顔色が明るくなり、血色が良くなる
「なかなか禁酒に踏み切れない」という人は、まずは1ヶ月お酒を断って、顔つきや肌質の変化を感じてみるのもよいかもしれませんね。
白髪が減る
禁酒には白髪の進行を遅らせたり、減少させたりする効果があります。
「白髪とアルコールって関係あるの?」と意外に思われた方もいるかもしれません。
これには、アルコールが肝臓を酷使する性質を持っていることが関係しています。
肝機能が低下することで、髪に与える悪影響の一例を挙げてみましょう。
- 健康な髪の毛に必要なタンパク質が上手く生成されない
- 代謝や解毒作用が十分に行われず、末端細胞の毛髪に栄養が届かない
- 色素細胞(メラノサイト)の働きがおろそかになる
その他、アルコールの脱水作用で頭皮に必要な水分が行き渡らなかったり、睡眠の質が低下したりといったことも白髪が増える間接的な要因になります。
もちろん白髪は遺伝など他の要素も大きいため、禁酒ですぐに改善が見られるとは限りません。
しかし禁酒を含めた健康的な生活習慣によって、ある程度の進行を遅らせることは可能です。
「手軽に白髪対策がしたい!」と考えている人は、まず禁酒から始めてみませんか?
アルコールを摂取し続けるリスク
ここからは、アルコールを摂取し続けるとどのようなリスクがあるのかを解説します。
- アルコールが心身に及ぼす影響
- アルコールと内臓疾患
- こんなに恐ろしいアルコール依存症
それぞれ見ていきましょう。
アルコールが心身に及ぼす影響
アルコールにはリラックス効果や血流促進効果などのプラス面もありますが、過剰な摂取は心身に深刻な影響を与えかねません。
特に、長期的な飲酒習慣のある人は注意が必要です。
アルコールは肝機能や脳細胞にじわじわとダメージを与えるために、以下のような症状が出てくることもあります。
- 記憶力や集中力の低下
- 慢性的な疲労感
- 睡眠の質の悪化
- 免疫機能の低下
- メンタルの不安定
体の不調をごまかすために飲酒量を増やすのは、さらなる悪循環につながります。
アルコールが心身に与えるネガティブな影響について知り、健康的な生活習慣を取り入れるきっかけとしましょう。
アルコールと内臓疾患
アルコールが内蔵疾患のリスクを高めることは、これまでさまざまな研究機関において実証されてきました。
よく取り沙汰されるのは肝臓や膵臓への負担ですが、それだけではありません。
アルコールの影響は体全体に及ぶものだと心得ましょう。
症状が出てくる場所 | 疾患名 |
---|---|
食道 | 食道炎、食道がん |
胃腸 | 胃炎、胃がん、大腸がん、小腸炎 |
心臓 | 心拍の異常、心筋症、高血圧 |
肝臓 | 肝硬変、脂肪肝、肝臓がん |
膵臓 | 膵炎、膵臓がん |
神経 | 手足の震え、末梢神経障害、通風 |
また、内臓疾患のリスクは年齢と共に増加します。
定期的に健康診断を受け飲酒量を見直すことで、将来的なリスクは軽減できますよ。
こんなに恐ろしいアルコール依存症
アルコール依存症は人ごとではなく、誰にでも起こり得ます。
下の表を用いると、自分がどのくらいアルコールに依存しているのかを簡単にチェックできます。
症状 | チェック |
---|---|
酒を飲まないと寝付けないことが多い | □ |
二日酔いで仕事を休んだり、 大切な約束を守らなかったりすることが時々ある | □ |
「酒を飲まなければいい人なのに」とよく言われる | □ |
自分が飲酒していることに後ろめたい気持ちを感じる | □ |
酒がなくなったときに、手が震えたり、 イライラしたりすることがある | □ |
今日だけは飲まないようにしようと思っても、 つい飲んでしまうことが多い | □ |
酒を飲まない方がよい生活を送れそうに感じる | □ |
チェックが多いほど、アルコール依存の傾向が強いことを示しています。
アルコール依存症は他の疾患と違い、家庭の崩壊や深刻な健康状態を引き起こす可能性があるため、決して軽視してはいけません。
次にアルコール依存症の恐ろしい点を見てみましょう。
- 飲酒を自分でコントロールできない
- 手の震えや不安感、イライラなどさまざまな離脱(禁断)症状が現れる
- 飲酒のために仕事や家庭での責任を果たせない
- 健康被害を認識しても飲酒を続けてしまう
- 本人のみでなく、家族全体が病気に巻き込まれる
ストレスを受けやすい職についていると、飲酒量が徐々に増えていき、気づかないうちにアルコール依存症に陥っていたというケースもあります。
「アルコールに依存気味かも?」と思った人は早い段階で飲酒習慣を見直し、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
禁酒による好転反応
ここでは、禁酒による好転反応について解説します。
「好転反応」と聞いても、ピンとこない人は多いかもしれません。
一般的には治療や施術のあと、体が回復する途中で現れてくるネガティブな反応を指します。
- 好転反応とは|離脱反応との違い
- 好転反応の症状
- 好転反応への対策
それぞれ説明していきますね。
好転反応とは|離脱症状との違い
禁酒を始めると体にさまざまな変化が訪れますが、これには「好転反応」と「離脱症状」の2種類があります。
- 好転反応
-
体が健康な状態に戻る過程で起こる一時的な症状のこと。
治療を受け毒素や老廃物が排出されるプロセスの中で、体調が悪化したり、痛みや発熱が現れたりする現象。
- 離脱症状
-
アルコールが体から抜ける際に起こる不快な症状のこと。
退薬症候や禁断症状とも呼ばれ、依存性のある薬物(アルコール)などの使用を中止した際に、体が薬物を求めることにより起こる現象。
どちらもよく似た不快な症状が起こりますが、好転反応は1~3日程度の比較的短期間で症状がおさまることが多いでしょう。
ただし、長年の飲酒習慣のある人やアルコール依存気味だった人は、もう少し長く続くかもしれません。
離脱症状は一般的にそれまでのアルコール摂取量が多いほどつらく、医者にかかった方がよい場合もあるため、体の様子を見ながら判断しましょう。
好転反応の症状
アルコールをやめたことによる、主な好転反応の症状は以下のようなものです。
- 頭痛
- イライラ
- 便秘または下痢
- 強い眠気、もしくは不眠
- だるさ
どれも不快な症状ですが、アルコールが抜けて体が正常に戻るための大切な過程です。
「まったく何も症状がない」という人もいます。
好転反応が終われば健康な体とメンタルの安定が得られると考え、症状がおさまるまで落ち着いて過ごしましょう。
好転反応への対策
「好転反応にはこのように対処すべきだ」という、決まった方法はありません。
だるいときや強い眠気に襲われたときはしっかり眠り、便秘のときには水分を欠かさないようにするなど、症状に合った対処法をとりましょう。
ただし、症状がつらかったりあまりにも長く続く場合は、無理せず病院で相談してくださいね。
禁酒を成功させるコツ
ここからは、禁酒を成功させるためのコツをお伝えします。
具体的には以下の5つをまず実践してみましょう。
- 晩酌にはノンアルコール飲料を活用する
- 周りの人に禁酒していることを伝える
- 健康的な食事を取り入れる
- 運動習慣をつける
- 自分へのご褒美を用意する
それぞれ説明します。
晩酌にはノンアルコール飲料を活用する
飲酒習慣のある人が、急にアルコールを断つことはなかなか困難です。
飲みたい欲求が抑えきれなくなり、結局禁酒そのものの失敗にもつながってしまいかねません。
そんなときは、ノンアルコール飲料を上手く活用することをオススメします。
最近のノンアルコール飲料はよくできているため、酒を飲まなくても心理的な満足感が得られるからです。
- 好みの味や香りを持つノンアルコールビールを見つける
- 自分でモクテル(ノンアルコールのカクテル)を作ってみる
- 健康機能のあるノンアルコール飲料でよりヘルシーに過ごす
こういった視点をもってノンアルコール飲料を楽しむと、いつもの晩酌の時間をより有意義に過ごせますよ。
周りの人に禁酒していることを伝える
禁酒していることを周囲の人に伝えるのは、チャレンジを成功させるために重要です。
- 周りからのサポートが得られる環境を作る
- 自分に言い訳をせず逃げ道を封じる
- 職場で飲み会に誘われても気兼ねなく断れる
こういった効果が得られ、モチベーションの維持に大きく役立つでしょう。
また、SNSで禁酒チャレンジを宣言するのも同様の効果があります。
同じ目標を持つ仲間とつながれる可能性もあるため、抵抗がなければ積極的にInstagramやXなどを活用してみましょう。
健康的な食事を取り入れる
せっかく禁酒を決意して健康への意識が高まったのであれば、ヘルシーな食生活を目指すこともオススメします。
そもそも禁酒だけで、
- 免疫力アップ
- 睡眠の質向上
- 将来的な疾患の予防
などの体にうれしい効果がありますが、食生活を改善すれば相乗効果でさらに健康な体が手に入るからです。
体調やメンタルの安定は仕事のパフォーマンスにも大きく影響するため、ますます禁酒が楽しくなるかもしれませんよ。
運動習慣をつける
運動するとストレスが緩和されるため、アルコールへの欲求を抑えるのに役立ちます。
ここで大切なのは、「無理なく続けられる負荷で運動を行う」ことです。
もともと運動習慣のある人なら自分のペースで構いませんが、そうでない人は週に2~3回の軽い運動から始めましょう。
- ひと駅手前で降りて、職場までウォーキングする
- 軽めの筋力トレーニングを行う
- ヨガやストレッチなどを日課として取り入れる
運動を日々の生活に取り入れて、禁酒効果を高めつつさらに健康な体を手に入れてみませんか?
自分へのご褒美を用意する
禁酒を成功させるには、モチベーションの維持が不可欠です。
定期的に自分へのご褒美を用意すれば、達成感が得られて禁酒を続ける意欲も生まれるでしょう。
さらに、禁酒はそれ自体で時間とお金の節約になることも忘れてはいけません。
- 決められた期間禁酒できたら、家族と旅行に出かける
- 1ヶ月ごとに美味しいものを買って食卓に出す
- 以前から興味のあった習い事を始める
など、禁酒で浮いたお金を有意義なことに使いましょう。
短期的な目標と長期的な目標を設定し、節目ごとに自分や家族にプレゼントを用意すれば、楽しく禁酒が続けられそうですね。
禁酒に関するよくある質問
ここからは禁酒に関する質問について、Q&A形式でお答えします。
- Q. 禁酒すると日本人は顔つきが変わるって本当?
- Q. 1ヶ月だけでも禁酒するメリットはある?
- Q. 1ヶ月禁酒したとして、男性と女性で何か効果の違いはある?
- Q. お酒をやめると自律神経にどんな効果があるの?
- Q. 禁酒したくなる画像ってどんなもの?
- Q. 禁酒するデメリットって何かある?
禁酒で得られるメリットのおさらいにもなるので、読むだけでモチベーションがアップするかもしれませんよ!
Q. 禁酒すると日本人は顔つきが変わるって本当?
禁酒するとむくみが取れ、代謝が良くなるために肌や顔つきに変化が表れます。
したがって「顔つきが変わる」というのはあながち嘘ではありません。
また、日本人はアフリカ系やヨーロッパ系の人と比べて酒に弱く、毎日の飲酒が体に及ぼす負担が大きいともいえます。
そのため他の国の人に比べ、酒をやめたときの影響がより顕著に出るのかもしれませんね。
Q. 1ヶ月だけでも禁酒するメリットはある?
結論から言うと、1ヶ月だけでも禁酒するメリットはあります。
個人差はありますが、早い人であれば1週間程度でポジティブな変化を実感できるでしょう。
- 睡眠の質がアップ
- 肝機能の改善
- 脳の認知機能の向上
- メンタルの安定
短期間お酒をやめることで、その後の飲酒量が減ったという人もいるため、「なんだか体調がよくないな…」と思う人はぜひ1ヶ月だけでも禁酒してみることをおすすめします。
Q. 1ヶ月禁酒したとして、男性と女性で何か効果の違いはある?
一般的に、日々の飲酒量が多い人ほど禁酒の効果が現れやすいとされています。
そのため、通常は男性の方が「寝つきがよくなる」「心が落ち着く」など、禁酒の効果を早く実感できるのではないでしょうか。
また、EDで悩む男性は本格的に禁酒を検討した方がよいかもしれません。アルコール依存症のレベルまでいくと、72%の方に何らかの性機能障害が発症しているというデータがあります。
ストレスのない生活を送るためにも、体調や性機能に不安を覚える人はぜひ禁酒にチャレンジしてみましょう。
Q. お酒をやめると自律神経にどんな効果があるの?
禁酒は自律神経によい効果をもたらします。
アルコールは自律神経を乱す働きがあるため、気づかないうちに不眠やイライラなど、体の不調の原因となっているかもしれません。
酒をやめてしばらくすると乱れた自律神経が整い、
- 寝つきが良くなる
- ストレス耐性が上がる
- 心拍数が安定する
- 倦怠感がなくなる
といったプラスの効果が見込めるでしょう。
Q. 禁酒したくなる画像ってどんなもの?
スムーズに禁酒するために、「禁酒したくなる画像」を使っている人もいます。
視覚的な刺激で、禁酒へのモチベーションを高めるねらいがあるようです。
「禁酒したくなる画像」の例としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 禁酒する前と後で劇的に変化している人の写真
- アルコールがもたらすネガティブ効果を説明する図表
- 禁酒で得られるメリットを解説した図解
- 自分が痩せていて健康的だった頃の写真
禁酒のモチベーションが上がるなら、どんな写真を用いても自由です。
定期的に眺めたりスマホの待ち受け画面にしたりして、誘惑に負けず酒断ちにチャレンジしましょう。
Q. 禁酒するデメリットって何かある?
禁酒による体へのデメリットは特にありません。ただし、禁酒してすぐは「好転反応」と呼ばれる、一見するとマイナスに思えるような症状が出てくるかもしれません。
体が正常に戻っている証拠として、好意的に受け止めましょう。
また、飲み会に行かないことで、上司や同僚から「付き合いの悪いヤツ」と思われてしまうこともあります。
ノンアルコール飲料を活用してお酒の場に参加したり、意図的に交流の場を設けるなどして、上手に乗り切りたいものですね。
まとめ
今回は禁酒が心身にもたらすメリットを中心に、好転反応やお酒をやめるためのコツについてお伝えしました。
「健康のためにお酒をやめたい」と思っても、長年の習慣になっているとなかなか一歩を踏み出せないかもしれません。
そんなときは禁酒が体と心にもたらすうれしい変化や、美容へのプラス効果を今一度考えてみてください。
アルコールとさよならして、理想の自分を手に入れましょう!
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