「最近疲れているのによく眠れない」「特にどこか悪いわけでもないが動悸がする」、なんだか原因がよくわからないその不調、実は自律神経の乱れからくるのかもしれません。
現代人の2人に1人は日常生活で何らかのストレスを抱えているとされ、自律神経のバランスを崩しがちです。
そんな不調を解決する飲み物として、ノンアルコールビールが注目されているのをご存知でしょうか。
今回はノンアルコールビールで自律神経が整うメカニズムと、その効果的な飲み方を紹介します。「自律神経のバランスを正して健康的な生活を送りたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ノンアルコールビールで自律神経は整う!
ノンアルコールビールには、自律神経を整える作用があります。製品に含まれるホップとGABAには、鎮静作用やリラックス効果、副交感神経を優位にする働きがあるからです。
さらに、『日本調理科学会誌』に掲載された論文のノンアルコール飲料に関する実験を見てみましょう。
この実験は22名の健康な成人女性にノンアルコールビールを含むノンアル飲料を飲んでもらい、気分の状態変化や自律神経活動の変化をチェックするというものです。
実験の結果、以下のような興味深い事実が明らかになりました。
- アルコールを飲んだときと同様、ノンアルコール飲料でも「楽しさ」や「高揚感」などポジティブな気分が得られること
- 自律神経活動のバランスを測定した結果、副交感神経が優位になっており、ノンアルコール飲料のみでリラックスできていること
つまり、実験でも「ノンアルコール飲料は自律神経によい影響を与える」ことが証明されたのです。
ノンアルコールビールが自律神経を整える3つの理由
ここでは、ノンアルコールビールがなぜ自律神経を整えられるのか、その理由を3つ紹介します。
- ホップにメンタルヘルス改善作用があるから
- GABAが副交感神経を優位にさせるから
- アルコールを飲んだときのような心地よさを感じられるから
それぞれ見ていきましょう。
ホップにメンタルヘルス改善作用があるから
ビールの主原料であるホップには、認知機能の改善や抑うつ改善など、メンタルヘルスによい影響を与える効果があります。
この事実は、キリンホールディングス株式会社の研究グループが、三井不動産株式会社と共同で行った実証研究で明らかになりました。
- 「熟成ホップ」を含むノンアルコールビールを100名の被験者に3週間摂取してもらう
- 摂取前と比較すると、多くの被験者が気分の落ち込みや疲労感、不安感が和らいだと回答
- 労働パフォーマンスも摂取前より改善したと感じる人が多い
これらの結果から、健康な成人が熟成ホップ由来の苦味酸を摂取すると、自律神経のバランスが整い、メンタルヘルスが改善されることがわかります。
今後もさらなる研究が期待されますね。
ビールがもたらす効能について詳しくは別ページでも解説しています。
GABAが副交感神経を優位にさせるから
麦芽由来のGABAには、交感神経の働きを抑制し副交感神経を優位にする働きがあります。
もちろん通常のアルコール入りビールにもGABAは含まれていますが、アルコールは交感神経を刺激するため、結果的に自律神経を乱してしまうのです。
その点ノンアルコールビールはアルコールの影響を受けないので、存分にGABAのリラックス効果を実感できるでしょう。
GABAでイライラして昂ぶった神経を落ちつかせることができれば、安眠効果も感じられるはずですよ。
アルコールを飲んだときのような心地よさを感じられるから
ノンアルコールビールにはアルコールが含まれていない、もしくは含まれていても0.09%以下と微量ですが、脳はアルコール入り飲料を飲んだときと同様の幸福感を感じるそうです。
この事実は、オランダのヴァーヘニンゲン大学の研究者らの実験によって実証されました。
実験の結果導き出された結論は、「アルコールの有無に関係なく、味覚によって幸福感やリラックスする感覚を感じている」ということです。
ビール好きの人は「アルコール抜きなんて物足りない!」と思いがちですが、ビールの味だけで幸せな気持ちになれることが実証されました。今晩はノンアルコールビールと共に過ごしてみたくなりませんか?
そもそも自律神経とは
では、そもそも自律神経とは何なのでしょうか。
自律神経には2種類あり、1つは体に「活動しなさい」と指示を出す「交感神経」、もう1つは「落ち着きなさい」という指示を出す「副交感神経」です。
それぞれが車でいうアクセルとブレーキの役割を果たしていると聞けば、イメージしやすいかもしれません。
お互いにバランスを取り合って働いているからこそ、体のコンディションは良好に保たれるのです。
以下の表でそれぞれの役割を見てみましょう。
交感神経 | 副交感神経 | |
---|---|---|
呼吸 | 速い | 遅い |
血圧 | 上昇 | 下降 |
消化 | 消化液の分泌を抑制 | 消化内分泌を促進 |
内分泌 | ホルモン分泌を乱す | ホルモン分泌を正す |
筋肉 | 緊張 | 弛緩 |
精神活動 | 活発 | リラックス |
さらにここからは、以下の内容について詳しく説明していきますね。
- 自律神経が乱れる原因
- 自律神経の乱れで起こる症状
自律神経が乱れる原因
自律神経が乱れる原因は、主に以下の4つです。
- ストレスや緊張
- 生活習慣の乱れ
- 天候や気圧などの環境
- ホルモンバランスの変化
1つずつ見ていきましょう。
ストレスや緊張
現代人は生きていくだけで、さまざまなストレスにさらされています。
ストレスや過度の緊張が続くと交感神経ばかりが働き、副交感神経への切り替えがスムーズにできません。
その結果、必要なときにも副交感神経がうまく働かなくなってしまうのです。
生活習慣の乱れ
夜更かしやバランスの悪い食生活、運動不足など、生活習慣の乱れも自律神経の不調につながります。
人間の体にとって睡眠・食事・運動のリズムは大切なものだと知っておきましょう。
天候や気圧などの環境
寒暖差や気圧の変化もまた、自律神経に影響を与える要素です。
「なんとなく調子が悪い」と思っていたら季節の変わり目が原因だった、ということも少なくありません。
ホルモンバランスの変化
生理周期などからくるホルモンバランスの崩れは、自律神経の乱れにつながります。
また、男女を問わず副交感神経の働きは加齢とともに衰えていくものです。自律神経が上手く機能しなくなった結果、更年期の症状が現れてきます。
自律神経の乱れで起こる症状
自律神経が乱れると、心身に以下のような症状が出てきます。
身体症状 | 精神症状 |
---|---|
動悸 | 不安 |
息切れ | うつ |
血圧上昇 | 不眠 |
食欲低下 | 集中力の低下 |
発汗 | イライラ |
頭痛 | やる気の低下 |
吐き気 | 緊張の持続 |
だるさ | 情緒不安定 |
これらの自律神経の乱れからくる症状を「不定愁訴」といいます。
病院に行っても原因が特定できないため、周囲の理解が得られず悩んでいる方は少なくありません。
症状がさらに進行すると重篤な疾患につながる可能性もあり、早めの対処が必要です。
ノンアルコールビールが自律神経を整えて得られるメリット
ここでは、ノンアルコールビールが自律神経を整えることで、どんなメリットが得られるのかについて解説します。
具体的には以下の4つです。
- 安眠できる
- ストレスが緩和される
- 腸内環境が改善される
- 女性ホルモンのバランスが整う
それぞれ見ていきましょう。
安眠できる
自律神経が整うと、安眠・快眠に効果があります。
「夜なかなか寝つけない…」という方は、ノンアルコールビールの力を借りてみるとよいかもしれません。
- GABA:副交感神経を優位にする(自律神経を整える)
- ホップ:鎮静効果や催眠効果をもたらす
上のようにノンアルコールビールには、自律神経を整えるだけではない、安眠をもたらすさまざまな効果が期待できるからです。
ストレスが緩和される
自律神経のバランスが崩れると、体や心にのしかかるストレスも増えます。
そもそもストレスが自律神経の乱れを引き起こし、その乱れた自律神経がさらなるストレスを生み出すという悪循環があるため、ストレスの緩和は重要なミッションだといえるでしょう。
ストレスケアにはノンアルコールビールが一役買ってくれます。
ノンアルコールビールを飲んで心も体もリラックスする時間を持つよう心がけると、次第に自律神経も整い、ストレスが緩和されてくるはずですよ。
腸内環境が改善される
実は自律神経と腸内環境には、密接なつながりがあります。
腸の不調は自律神経の活動に反映され、逆にストレスなどからくる自律神経の乱れは腸の動きに反映されます。
腸の動きが低下すると、
- 冷えや疲れ
- 便秘や下痢
- 糖尿病などの生活習慣病
などの体の不調も出てくると言われていますが、自律神経の乱れからくる症状とそっくりだと思いませんか?
このように自律神経と腸は互いに相関関係にあるため、ノンアルコールビールで自律神経が整うと、緒内環境にもよい影響が出るのです。
またノンアルコールビール自体にも腸内細菌を多様化させ、健康によい効果があることが、ポルトガルの新リスボン大学の研究で明らかにされています。
「腸内環境を改善したい」と思う方は、ぜひノンアルコールビールを日常生活に取り入れてみてくださいね。
女性ホルモンのバランスが整う
自律神経とホルモンバランスは、互いに影響し合っていることをご存知でしょうか?これは自律神経もホルモン分泌も、脳にある「視床下部」という場所でコントロールしているからです。
そのため腸と同様に、「自律神経を整えることはホルモンバランスを整えることにもつながる」といえるでしょう。
また、女性には生理周期や妊娠・出産などのライフイベントもあり、男性に比べてホルモンのバランスを崩しやすい傾向にあります。
ノンアルコールビールにはフィストロゲンという女性ホルモンに似た物質が含まれているため、ホルモンバランを整えるサポートをしてくれます。
ノンアルコールビールを定期的に飲んでいると、「なんだか体の調子がよくなった」と言えるようになるかもしれませんよ。
自律神経によいノンアルコールビールの飲み方
ここでは、自律神経を整えるのに効果的なノンアルコールビールの飲み方を紹介します。
ポイントを押さえれば、より体にうれしい効果が得られるはずですよ。
- リラックスタイムに飲む
- 大量に飲み過ぎるのは避ける
- なるべく無添加のものを選んで飲む
それぞれ説明します。
リラックスタイムに飲む
自律神経によい影響を与えるため、ノンアルコールビールを飲むのはリラックスタイムにしましょう。
ここでいうリラックスタイムとは、
- 家族とのんびり団らんの時間を過ごしているとき
- 入浴後
- 就寝前
- ストレッチなど軽い運動のあと
などが挙げられます。
いずれも「副交感神経が優位になっている時間」なのがポイントです。
ストレスの多い現代人の日常生活では、交感神経が働いているタイミングの方が多いといえます。
そんなときにノンアルコールビールを飲んでも、あまりリラックス効果は期待できません。
ノンアルコールビールを飲むのは副交感神経が優位の時間帯を選べば、最大限の効果が得られるはずですよ。
大量に飲み過ぎるのは避ける
ノンアルコールビールにはアルコールが入っていないため、アルコール飲料ほど悪影響はありませんが、大量に飲むことは避けましょう。
ノンアルコールビールもビール同様に冷やして飲むのが一般的であり、冷たい飲み物を大量に飲むと胃腸も冷えてしまうため、消化不良の原因になります。
また、添加物や人工甘味料などが含まれている商品だと、それらの過剰摂取も心配です。
さらにノンアルコールビールでも微量のアルコールが含まれていることがあり、その場合は大量に飲むとアルコールの影響も受けてしまいます。アルコール度など、成分表示はよく確認してくださいね。
なるべく無添加のものを選んで飲む
ヘルシーなイメージの強いノンアルコールビールですが、一般的なビールよりも添加物の含有量が多い傾向にあります。
以下のような成分が含まれている場合、添加物ですので注意しましょう。
- 人工甘味料(アセスルファムKやスクラロースなど)
- カラメル色素
- 苦味料
- 酸化防止剤
微量であればあまり神経質にならなくてもよいですが、添加物は過剰摂取すると、腸内環境の悪化やさまざまな疾患につながる可能性もあります。
「せっかく体に気を使ってノンアルコールビールを飲んでいるのに…」と残念に思われた方は、できるだけ無添加の商品を選ぶようにしてみましょう。
ノンアルコールビールと自律神経に関するQ&A
ここでは、ノンアルコールビールと自律神経に関して寄せられる質問にお答えします。
Q&A形式で以下の質問を見ていきましょう。
- ノンアルコールビールは肝臓に悪くないの?
- ノンアルコールビールは疲労を回復させてくれる?
- ノンアルコールビールに何かデメリットはあるの?
- ノンアルコールビールは依存症にならない?
それぞれ解説します。
ノンアルコールビールは肝臓に悪くないの?
ノンアルコールビールにはアルコールが含まれないため、肝臓に負荷をかけることはありません。
それどころか肝臓は自律神経が乱れると正常に働きにくくなる性質を持つため、自律神経を整えるノンアルコールビールは肝臓をサポートする効果があるともいえますね。
ただし、日本の法律では1.0%未満のアルコールを含む商品でも「ノンアルコールビール」と表記できるので注意しましょう。
たとえ微量でもアルコールが入っていれば、肝臓に負担をかける可能性があるからです。
ノンアルコールビールは肝臓に悪いのでは?という懸念への詳しい回答は別ページにまとめているので、気になる方は合わせて参考にして下さい。
ノンアルコールビールは疲労を回復させてくれる?
ノンアルコールビールには、疲労回復効果のある成分が含まれています。
たとえば以下の3つです。
- ビタミンB群
- アミノ酸
- ポリフェノール
また、麦芽由来のGABAには、疲労回復にもっとも大切な睡眠をサポートする効果があります。
ノンアルコールビールは体に必要な成分を効率よく取り入れ、心地よい睡眠に導いてくれるため、疲労回復に適した飲み物といってよいでしょう。
ノンアルコールビールに何かデメリットはあるの?
アルコール入りビールに味を近づけるため、多くのノンアルコールビールには甘味料などの添加物が使われています。
添加物についてはまだ明らかになっていないことも多く、過剰摂取はオススメできません。
一説では糖尿病や心疾患、腸内環境悪化のリスクにつながるとも言われています。
「ノンアルコールビールを毎日楽しみたい!」という人は、「ヴェリタスブロイ」などできるだけ無添加の製品を選ぶようにしましょう。
ノンアルコールビールは依存症にならない?
ノンアルコールビール自体にはアルコールが含まれていないため、依存性はありません。
ただし、アルコール依存症の人が禁酒のためにノンアルコールビールを飲むと、かえって逆効果になってしまうことがあります。ノンアルコールビールでビールの味を思い出し、「1本だけ…」という気持ちになってしまうかもしれません。
ノンアルコールビールは依存症になりませんが、アルコール依存症の人はノンアルコールビールも避けた方が良さそうです。
どうしてもノンアルコールビールが飲みたい場合は、まず医師に相談してみましょう。
まとめ
今回は、ノンアルコールビールが自律神経に与えるよい影響について解説しました。
ノンアルコールビールの健康的な側面は、「アルコールが含まれていない」というだけではありません。
GABAをはじめとする、自律神経を整えてくれる成分が豊富に含まれていることにも注目してみましょう。
ビールを普段から飲む人も飲まない人も、リラックスした時間を過ごすパートナーとして、今日からノンアルコールビールを活用してみませんか?
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