アルコールによるリスクを抑えつつ、ビールの芳醇な味わいもしっかり楽しめるノンアルコールビールを飲むときに気になるのが、トイレが近くなってしまうことです。
アルコールが含まれていないとはいえ、ビールである以上は強い利尿作用があるのでは? と、心配な方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ノンアルコールビールにも利尿作用はあるのか、そして、通常のビールとの違いや注意点について、詳しく解説していきます。
ノンアルコールビールならではのメリットもお話ししているので、ぜひ最後までご覧ください!
ノンアルコールビールには利尿作用がある
結論からお伝えすると、ノンアルコールビールには利尿作用があります。
アルコールが含まれていないなら、水分補給としてノンアルコールビールを飲んでも良いのでは? と思っていた方には、少しガッカリな情報かもしれません。
とはいえ、心配は不要です。利尿作用と上手に付き合いつつ、ノンアルコールビールを健康的に楽しむ方法はあります。
まずは、ノンアルコールビールが持つ利尿作用について、次の項目で見ていきましょう。
ノンアルコールビールに利尿作用がある理由
ノンアルコールビールに利用作用があるのは、ノンアルコールビールに含まれる以下の3つの成分が要因です。
- ホップ
- カリウム
- 水分
この中で特に注目したいのが「ホップ」の役割です。
ホップには利尿作用がある
ホップとは、ノンアルコールビールに苦味と香りをつける植物のことです。
このホップに含まれている、クエルシトリンと呼ばれる成分に強い利尿作用があるのです。
ちなみに、このクエルシトリンは、デトックスドリンクとして有名なドクダミ茶にも多く含まれています。
利尿作用の強さにも納得できますね。
カリウムと水分も利尿作用を促進する
ノンアルコールビールに多く含まれるカリウムは、体内の余分な水と塩分(ナトリウム)を尿として排出するはたらきをもっています。
そして、ノンアルコールビールはご承知の通り「飲料」です。水分が主体となるため、飲む量が増えるごとにカリウムのはたらきも活性化していくのです。
利尿作用のある成分といえばアルコールが注目されがちですが、ホップ・カリウム・水分といった、通常のビールとノンアルコールビール、共通して含まれる成分にも、強い利尿作用があるということがわかります。
ノンアルコールビールと通常のビールはどちらがより利尿効果が高い?
ノンアルコールビールにも利尿作用があることはわかったけれど、通常のビールと比べた場合、どちらがより高い利尿効果を持つのでしょうか?
その答えは、通常のビールだと考えられます。決め手となるのは、やはりアルコールの有無です。
アルコールには排尿を抑えるホルモンである「抗利尿ホルモン」の分泌を抑制するはたらきがあることから、排尿量が大きく増え、実際に飲んだ以上の水分が排出されてしまうのです。
したがって、ノンアルコールビールよりも、通常のビールのほうがより利尿効果が高いと言えるでしょう。
ノンアルコールビールの利尿作用に関する注意点
ここでは、ノンアルコールビールの利尿作用に関する注意点を解説していきます。
以下の注意点をしっかりおさえて、ノンアルコールビールを健康的に楽しみましょう。
体を動かした後のノンアルコールビールに注意!
筋トレやスポーツなど、体を動かした後に飲む冷たいビールののど越し、最高ですよね。
しかし、ここまでお話したようにノンアルコールビールにも利尿作用があります。
大量の水分を失った状態でノンアルコールビールを飲んでしまうと、脱水症状を引き起こすおそれがあります。
脱水症状になると、筋肉の増強にも悪影響を及ぼすので注意が必要です。
体をたくさん動かした後はノンアルコールビールを飲む前に、まずは水やスポーツドリンクなどで十分に水分補給するようにしましょう。
とはいえ、アルコールを含むビールと比べると、ノンアルコールビールは利尿作用が控えめです。
筋トレやスポーツの後は、どうしてもビールを飲みたい! という方にはノンアルコールビールがおすすめといえるでしょう。
最近ではスポーツ後の飲用に適したノンアルコールビールも登場しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ノンアルコールビールで「夜中にトイレで目を覚ます」を避ける方法
飲み会などでたくさん飲んだ夜はトイレに行きたくて何度も目が覚めてしまう、という経験のある方も多いのではないでしょうか。
ノンアルコールビールにも利尿作用があるため、アルコール同様飲み過ぎると夜中にトイレで目を覚ましてしまう可能性があります。
ここでは、ノンアルコールビールを飲んでも夜中にトイレで目を覚ますことを避ける方法として、以下の3つを解説します。
- 適量を飲む
- 時間をかけて飲む
- 寝る前に汗や尿を出す
適量を飲む
ノンアルコールだからといってうっかり飲みすぎてしまうと、夜中にトイレで目を覚ます可能性が高くなります。
特に缶やジョッキだと、普段水分を取るのに使うコップと比べて1杯分がかなり多いので注意しましょう。
夜中にトイレで目が覚めないよう、適量を意識して飲むことが大切です。
時間をかけて飲む
ノンアルコールだから大丈夫と、一気飲みをするのも危険です。
体が一度に吸収できる水分の量は限られています。
そのため、たくさん飲んでも余分な水分は尿として体外に排出されてしまいます。
せっかく飲んだ美味しいノンアルコールビールが、すぐに出ていってしまうのも何だか勿体ないものです。
時間をかけて、1杯をじっくり楽しみましょう。
寝る前に汗や尿を出す
ノンアルコールビールを飲んでからすぐに寝ると、体内に水分が溜まった状態になります。
そのため、どうしても途中で目が覚めてしまいがちです。
飲んだ後はこまめにトイレに行ったり、軽い運動で汗を流すなどして、体内からできるだけ不要な水分を出しておくようにしましょう。
ノンアルコールビールに期待できる健康効果
ノンアルコールビールはただ美味しいだけでなく、嬉しい健康効果もあります。
ここからは、ノンアルコールビールに期待できる3つの健康効果として以下の3つをご紹介します。
- 安眠
- 疲労回復
- 新陳代謝を高める
さっそく、順番に見ていきましょう。
さらに詳しいノンアルビールの効能は「ノンアルコールビールの健康効果」の記事にまとめていますので、合わせて参考にしてください。
安眠
ノンアルコールビールに含まれるポップによる安眠効果が期待できます。
利尿作用の項目でも登場したホップには、フムロンと呼ばれる鎮静作用を持った成分が含まれており、イライラや不安を和らげるはたらきがあります。
この鎮静作用を活かして、昔のヨーロッパでは乾燥させたホップを枕の材料としても用いていたとも言われています。
このような点から、ノンアルコールビールには安眠効果があると言えます。
疲労回復
ノンアルコールビールを飲むことで、疲労回復も期待できます。
ノンアルコールビールに含まれるGABAと呼ばれるアミノ酸には、様々な健康効果が認められており、その一つに疲労回復効果があります。
特にデスクワークや家事による疲労感を軽減するとされているため、一仕事終えた身体を労わり、元気をチャージするのにピッタリと言えるでしょう。
新陳代謝を高める
ノンアルコールビールには、新陳代謝を高める効果もあります。
ポイントは、ノンアルコールビールの主原料である麦芽や酵母に含まれるビタミンB群のはたらきです。
ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、葉酸といったビタミンB群は、体内に取り入れた栄養素をエネルギーに変換するはたらきを持っています。
このはたらきによって新陳代謝が活発化し、疲労回復効果を高めるとともに、皮膚や粘膜の健康状態を維持することができるのです。
ノンアルコールビールに関するよくある質問
最後に、ノンアルコールビールに関する、3つのよくある質問にお答えします。
- ノンアルコールビールは水分補給になりますか?
- アサヒのノンアルコールビールは肝臓に悪いですか?
- ノンアルコールビールは血糖値に影響しますか?
ノンアルコールビールは水分補給になりますか?
ノンアルコールビールを水分補給として飲用するのはあまりおすすめできません
ノンアルコールビールはホップ・カリウム・水分の相乗効果により利尿作用が働き、大量の水分が尿として排出されやすくなります。
日常的なちょっとしたのどの渇きを潤すくらいなら問題ありませんが、発熱時など水分補給を要する場面では、ノンアルコールビールではなく水分補給を目的とした飲料を摂取するようにしましょう。
アサヒのノンアルコールビールは肝臓に悪いですか?
アサヒのノンアルコールビールはアルコール分が0.00%なので、肝臓への悪影響はほとんど無いと言えるでしょう。
肝臓に負担を与えるのは、基本的に通常のビールに含まれるアルコール分です。
アサヒのノンアルコールビールなら、肝臓への負担を気にすることなくビールの味わいを楽しむことができます。
「ノンアルコールビールは肝臓に悪いのか?」を調査した結果もありますので、合わせて参考にしてください。
寝る前にノンアルコールビールを飲むと良いことは?
寝る前にノンアルコールビールを飲むと、安眠効果が期待できます。
ノンアルコールビールに含まれているホップとGABAには、それぞれ鎮静作用・抗ストレス作用・リラックス作用があり睡眠の質を高め、スッキリした目覚めに導いてくれます。
寝る前にノンアルコールビールを飲む場合は、直前ではなく寝る1〜3時間前に飲むのがおすすめです。
ノンアルビールの安眠効果は実証実験によって証明されています。詳しくは「ノンアルコールビールと睡眠の関係性」の記事をご覧ください。
ノンアルコールビールは血糖値に影響しますか?
糖質の高い「水あめ」や「果糖ブドウ糖液等」が多く含まれているノンアルコールビールは、血糖値を大きく上げるおそれがあります。
加えて、人工甘味料にも注意が必要です。
人工甘味料は体内で血糖になりませんが、その強い甘みに慣れてしまうことで弱い甘みに満足できなくなり、結果的に糖質を取りすぎてしまうおそれがあります。
血糖値が気になる方は、糖質ゼロのノンアルコールビールを選ぶようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、ノンアルコールビールの利尿作用と、通常のビールとの違いや注意点について解説してきました。
ノンアルコールビールには、ホップ・カリウム・水分の相乗効果による利尿作用があります。
しかし、アルコールを含んでいない分、通常のビールよりも利尿作用は穏やかです。
また、ホップやGABA、ビタミンB群による安眠・疲労回復・新陳代謝の促進といった健康効果もあります。
気になる血糖値についても、人工甘味料に注意し、糖質ゼロのものを選べば安心です。
ビールが大好きだけど、事情があってアルコールを摂取できないという方にとって、ノンアルコールビールは強い味方となります。
注意点と上手に付き合いながら、美味しくノンアルコールビールを楽しみましょう。
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